ベートーヴェンは聴覚障害がないと売れないのか。

個人ブログ

今年「偽ベートーヴェン」問題が世間を賑わせた。
多くのコミュニティで「裏切られた」という発言をしている人たちがたくさんいた。
尋ねてみたいことがある。

何か彼と契約でもしたんだろうか。

CDを買った。その支出に対し、当初予定していたもの(聴覚障害者)と違っていたことに対する「裏切られた」なのだろうか。

聴覚障害を持つ人が創った曲だからいい曲だと思ったのだろうか。
それとも聴覚障害を持つ人を応援するためにCDを購入するという「支援目的」の支出だったのだろうか(これならわからなくもない)。

ベートーヴェンは耳が聞こえない(ことになっている)から、何百年もの間優れた音楽家として評価されているのだろうか。
ある一説では「聞こえていた」とも言われている。代表作「運命」は、3歳の頃亡くなったおじいちゃんの譜面からパクったものとも言われている。

バレる前に死んで良かったねという話なのだろうか。
バレたら世の中からベートーヴェンの曲は瞬く間に消え去るのだろうか。
作品(音楽)自体は評価対象ではないのだろうか。

そうなると、バレるかバレないかの違いしかないんじゃないか。

私にはわからない。

「信じた自分」はどこに行ったんだろうか。
その曲を「いい曲だ」と感じた自分の感性はどこに行ったのだろうか。

聴覚障害者として不正に金品を受給していた、或いは控除によって納税等を免れていたというのならそれは処罰されるべきだし全て返還すべきだが、これは音楽CDという「作品」の出来映えとは関係ない

映画やドラマなんてほとんどが作り話(フィクション)だし、プロデューサーがいて役者がいる。
その作り話に世界中は興奮し、涙してきた。
まさしくそれがエンターテインメント(娯楽)だ。

新垣氏と佐村河内氏はまさにそんな関係だが、もし耳が聞こえていたことがわかった途端「裏切り」として社会から抹消されるならば、障害者の作品は障害者だから買ってもらえるのであって、「芸術」としての評価ではなく、ただの義援金(支援購入)のようなものになってしまわないか。

となると、障害者がどれだけ才能を振り絞っても、その多くの「評価」と思われたものは、障害者であることが前提でしかなく、正当な芸術としての評価は得られにくい(または得られない)ということになる。下手すればただの「同情」でしかない可能性も秘めている。

もし作品が評価されることが励みになって、障害が治癒した場合、もう売れなくなるのだろうか。
ならばその本人は悟るだろう。

やっぱり障害がないと売れないのか、俺の作品は。

それを逆手にとって、障害者のフリをする者が出てきても当然だ。
はるか太古から人の弱みにつけこむ詐欺師がいなくならないのと同じだ。

でも。
例え何かが“嘘”でも、作品自体が良かったら、作品に対して支払った対価は惜しくないはずじゃないか。
「裏切られた」は何かズレているんじゃないかと感じる。私は。

もちろん契約レコード会社が言うのならわかる。

自分に自信を持てず、何かしらの筋書きを必要とする人が増えた気がする。
 雑誌にいいと書いてあったから買った。
 ●●がいいとすすめたから買った。
 口コミレビューにいいと書いてあったから買った。
参考にしたとしても、最後の判断は自分ではないか。「買わされた」わけじゃないのだし。

何か「スカイマーク社のミニスカート制服に正義はあるか。」と同じ分類の疑問かもしれない。

ニュースになるまで私は存在自体知らなかったが、今日初めてフィギュアスケートで使用された「ヴァイオリンのためのソナチネ」を聴いてみた。
新垣氏本人が言う「現代音楽の勉強をしている者なら誰でもできる」はその通りだと思う。“ちょっとした映画の挿入歌”という印象でしかなかった。
音と音のつながりが“劇的”ではなく、教科書的な旋律に聴こえる。
自身が影響を受けた曲をつなぎ合わせたような、代表的な旋律展開の集合体と感じた。
私だったら聴覚障害のある人が創った曲でもそうでなくてもCDは購入しない。

ニュース記事によると新垣氏本人も当初「売れるわけがない」と思っていたらしい。

いずれにせよ最後は自分の好き・嫌いだと思うのだが、なぜ“裏切られた”と感じるのかが、私にはわからない。

本だってほとんどがゴーストライターによるものなのだし、今更どうしたんだろうと思う騒動だった。

ベートーヴェンの「悲愴」第三楽章から感じる緊迫感とどこかヒステリックな展開は“アーティスティック”だ。
だから作者の耳が聞こえていたとしてもそうでなかったとしても、私はこの曲を聞き続けるしいい録音があれば追加でCDも買う。

※この記事はチャーリー個人ブログであり、ルチアーノショー寄稿ブログではありません。

by charlie-ls | 2014-05-03 22:08 | 個人ブログ | Comments(0)

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