オートクチュール香水「銘シーン」(Meilleur Moment)


2014年初頭、雪の降る東京で、ロシアより愛を込めて、ボンドガールさながらの美しい女性から香水のアトマイザーをもらった。

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私が古くから“香り”を学んでいることを知っているこの女性は、「プレゼントしたボトルにぴったりな香りを作ってみて」とオーダーをくれた。

私は瞬時に映画グレート・ギャツビーの登場人物「デイジー・ブキャナン」を思い浮かべた。
※舞台監督の“ダリア・ブキャナン”ではなく。

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構想に迷いはなく、“社交界の華”はわずか30分足らずで完成した。

その名も「銘シーン」

テーラー・ロクサンヌに仏訳を依頼すると ''Meilleur Moment'' と返ってきた。
日本人が発音すると「メヤママ」。

メヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママメヤママ

と繰り返すとゲシュタルト崩壊効果で気がつけば「エダマメ」とか「マンマミーア」とか「ヤンマー(トラクターの)」とか脳裏で繰り返す。

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※写真は適当に並べたもので「銘シーン」の構成成分とは関係ないのでご了承願いたい。

可憐な印象をそのままに、アタックからトップノートは柑橘系で「出会い」を表現し、その裏側でラベンダー、メリッサ、マジョラムとシソ科のハーブ群が「複雑な人生」を密かに描く。
そしてミドルノートはローズ、ゼラニウム、パルマローザのフローラルな“夢見心地”に陥り、ジャスミン、イランイラン・コンプリートの「より深い情熱」すなわち官能の世界へと吸い込まれて行く。
ラスト(ベース)ノートではバニラ、ベンゾインで甘く締めくくってみた。

ローズだけでも3種使い*3、絡み合うような色気を演出している。

調香したエッセンシャルオイルは20種類。
※全て天然成分で残留農薬検査やオーガニック認証を受けているもの。

アルコールは75%で、ザ・パルファン(いわゆる“香水)”仕様。
※パルファン(香水) 濃度15 - 20%、アルコール75 - 80%
 オードパルファン 濃度10 - 15%、アルコール80%
 オードトワレ 濃度5 - 10%、アルコール80%
 オーデコロン 濃度2 - 5%、アルコール90%以上

同じくギャツビーの登場人物である「マートル(Myrtle)」(フトモモ科)を入れたのは若干の遊び心(笑)。
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完成した香りをボンドガールに届けると、即座に「香りが多岐にわたり、リッチで豊かな香り立ちが名香ジャンパトゥのジョイのよう。古き良い時代の香水を思わせる」と賛辞をくれた。

いいのか、ジャン・パトゥ。
恐れ多いよ、ジャン・パトゥ。

禁酒法から世界恐慌、第二次世界大戦へと向かう1930年発表の“ジョイ”は「香水の女王」と呼ばれ、シャネルの「No.5」に次ぐセールス記録を持っている。
ジャンパトゥの営業はロールス・ロイスで回ったという。
100種類以上の成分をブレンドしたジョイは名香名高く、2000年に英国FIFI「世紀のパフューム」賞を受賞した。

私はデイジー・ブキャナンをイメージしたことは伝えなかったが、まさしくグレート・ギャツビー的な時代であり世界観だ。
何か読み取ってくれたのかもしれない。

そしてこの「銘シーン」をサンプル用スプレーボトルに入れ、フランス語化してくれたテーラー・ロクサンヌに渡した。
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このスプレーが粒が荒くブシュッとすごい量出るもんだから、アルコールも飛びにくくアタックが強すぎてサンプルにならない(笑)。

しかしすぐさまロキシーは「イメージはデイジーですね!」と言う。
さすがメヤママ。
何でわかるんだメヤママ。

メヤさんのママみたいだが、すごいよメヤママ。

瀬戸秘書室長のブログ香りに目覚めることは、豊かさに目覚めること♡を思い出した。
香りにはドラマがありストーリーがある。
そしてミスシバタのプルースト効果のソレもいとをかし。

コニャックを飲むとあなたを思い出すわ」なんて言われてみたい。
「コンニャクを食べるとあなたを思い出すわ」はまだ今世では言われなくていい。

そんなメヤママのサンプルはルチアーノショーに常備しておりまする次第です。
ご興味のある方は「メヤママ、シルブプレ」とお声がけくだされ。

そこで!
今回調香した20種類のエッセンシャルオイルのうち、ここに記載していないのは7種類。
その7種類の中から5種類を当てた人※に、ボランジェ・ラ・グランダネ2004年(ボトル1本)をチャーリーからプレゼント!(みんな当たったら大丈夫なのか)
※店頭テイスティングで05月末日まで。

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★ボランジェ ラ・グランダネ 2004年 ボトル価格:27,000円(税込) グラス価格:3,900円(税込)

★公表した構成成分13種類(順不同)
 ジャスミン
 イランイラン・コンプリート
 ラベンダー・タスマニアン(酢酸リナリル37.75% *1
 マジョラム
 ダマスクローズ・アブソリュート
 ダマスクローズ・オットー
 ローズ・オットー
 ゼラニウム
 メリッサ
 マートル
 パルマローザ
 バニラ
 ベンゾイン(もちろん化合物ではなく安息香“Styrax benzoin”の方)
 +
 XXX 1
 XXX 2
 XXX 3
 XXX 4
 XXX 5
 XXX 6
 XXX 7

非公開7種のうち2種は若干マニアックなものの、5種は極めてメジャーなエッセンシャルオイルであります。

是非ルチアーノショーにご来店くださって、香りだけでない“銘シーン”を満喫してくださいな。

あとがき
私のブログアップが遅れたので、先にロキシーのテイスティングブログ(英語)「A Mission for an Undercover pair of Nostrils」が掲載された。
カナダ人諜報部員が綴ったこのスパイ文書は、30秒で自動的に消滅※2すると締めくくられている(笑)。
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テーラー・ロクサンヌ作、オリジナルドール

※英語読めないけどロキシーってすごい文章力だと思う。

なおこのテープも(最近の機器はテープが再生できないし)自動的に消滅※2する。

あなたの人生の銘シーンはここで生まれる。
私はそう信じている。

Photographer: Charlie

※1 酢酸リナリルが35%を下回ると、ラベンダーが持つ沈静効果が十分に得られないと言われている。
※2 映画スパイ大作戦(Mission: Impossible)より。
※3 オットー(水蒸気蒸留法)とアブソリュート(溶剤抽出法)とでは香り立ちが異なり、組み合わせることでより厚みが出る。という私の勝手な説。

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by charlie-ls | 2014-05-16 21:39 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ

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