最近聞かなくなった“心霊写真”

ルチアーノショー寄稿ブログ

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スローシャッターで撮影中、突如マイク・タケダがカメラの前を横切った際に身体の半分が消えた図。

インターネットのおかげで多くの「情報」が得られるようになったことで「不思議」が解明され、消えてなくなるものも少なくない。

カメラマン的なところでは「心霊写真」なんてのも時代と共に消え去った言葉かと思う。
あるはずの足がない、顔がない、透けているなど、心霊写真は怪奇現象の代表的存在であり、「お化け」を信じる根拠としていた人も少なくない。
技術的な解説をすると、単にスローシャッターによる「極度のブレ」が原因だという、実にツマラナイ話しでしかない。
光量が足りない環境(すなわち暗いところ)で撮影をすると、カメラはシャッタースピードを遅くして、できるだけ実際の明るさに近い絵面を再現しようと「集光」する。
スローシャッターとは、例えば「1秒」ならば、その1秒間の間に動いたものは全てブレるので、シャッターボタンを押した後、足を振り上げたり、お辞儀をしたりすれば、足がない、顔がない写真となる。
※動かなかったものはそのまま写る。

シャッタースピードを「10秒」くらいにセットして、全力で走れば、「何も写っていない」絵も撮れるだろう。

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シャッタースピードが遅く、その間に動いたロキシーの右手が消えてしまった図。

これを応用すれば、都会の真っ昼間の交差点で「誰もいない」という写真も撮ることが出来る。
人が交差点を渡るよりも、車が走り抜けるスピードの方が速いので、横断歩道側の信号が赤の時にスローシャッターで撮れば車は写らず「何もない」交差点ができあがる。
また、夜景写真の撮影中はスローシャッターになるため、遠い空に飛行機が飛んでいれば、飛行機のライトが“線状”に写り込み、あたかもUFOか何かが高速移動しているかのように見える写真となることもある。夜間の高速道路でヘッドライトが光の帯状になっている写真はそうやって撮る。

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スローシャッターで車のライトが帯状になっている図。

コンパクトデジタルカメラの普及によって、撮影者の前髪がレンズにかかり、何か不思議な線がたくさん写り込んでいるということもよくある。

「心霊写真スポット」は、単に薄暗くスローシャッターになりやすいだけである。そこにお化けがたくさんいるわけではない。

ではなぜ心霊写真が時代と共に消え去ったかと言えば、デジタルカメラの普及で、撮ったものをその場ですぐに確認できるようになり、誰もが心霊写真まがいの写真を自分で撮ったことがあり(撮る可能性が高くなり)、目新しいものではなくなったから。
今では単に「失敗したからもう一回」で済んでしまうし、なぜそうなったのかをインターネットで簡単に調べることができる。「夜景を撮るときはブレやすいので三脚を使いましょう」という、今ではほとんどの人が聞いたことのある情報もその典型例と言える。20年前はカメラマンさえ知っていれば良かった知識だ。

昔はフィルムを現像に出し、やっとそこで絵を確認できた。修学旅行の集合写真などは、何十人もの生徒が綺麗に静止しているわけではなく、なおかつ後から撮り直しも効かない。カメラマンは仕方なしに最も写りの良いものを選択するわけだが、後列からちょっかいを出された前列の生徒がたまたま後ろを振り向くと「顔がない」ように見える写真となり、生徒達は心霊写真だと騒ぐのである。

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多重露光による分身の術(笑)

デジタルカメラによって試行錯誤にコストがかからなくなった。
フィルムのように、一杯になるまで撮って、その後現像してみないとわからない時代とは異なる。
フィルム自体にお金がかかった時代と比べ、デジタルならば手軽に「試してみる」ことができ、多種多様な撮影方法も生まれた。

私のスローシャッター・高速閃光写真も、現像に出してみないとわからないという環境ではやってみようともしなかったと思う。
フィルム・現像代のコストに見合う収益が見込めなかっただろうし、一方で今は大して費用もかからないので(1シャッターあたりのコストはほぼゼロ円だ)、ノウハウを公開することも大したことではなくなった。

誰でもやってみることができる時代になった(そして自分で検証できるようになった)ってことですな。

携帯電話にもスマートフォンにもiPadにもiPodにもカメラが付いている。
もはや国民全カメラマンだ。

こうやって世の中はありとあらゆる面において底上げされていくのだろうなと思うチャーリーであります。

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーへ。

Photographer: Charlie

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by charlie-ls | 2014-08-21 08:56 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ

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