アップルウォッチが届いた。いつかは科学捜査に応用される(と思う)。

ルチアーノショー寄稿ブログ

午前09時、アップルウォッチの“WATCH”タイプが届いた。鏡面ステンレスに白のスポーツバンド。
※もう1つの“SPORT”が届くのは05月10日頃の様子。こちらは黒マットのアルミニウムに黒のスポーツバンド。

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アップル製品お得意の非常に優れた質感のバンドが心地よい。
サラッとマットに仕上げたスポーツバンドは滑りが良く、汗や水に濡れてもべたべたしないし清潔感に溢れる。
このどこまでも丁寧な造りは日本製じゃないのが驚きだが、それはもう昔の話かもしれない。

38mmタイプを購入したがちょうどいい。個人的には42mmは大きすぎると感じるし、04月10日アップルストアのスタッフもそう話していた。
今までの感覚だと38mmタイプが女性用、42mmタイプが男性用と受け止める人が多いようだが、もうそういう時代ではない。
アップルがあえてレディース、メンズと名付けない理由は「使いやすい方を選んでね」というメッセージであり、42mmは女性には合わないとか、38mmは男性には使いづらいとか、売り手側が決めることではなくなった(本来は昔からそう)ことを示している。女の子は赤、男の子は青という時代ではなくなったように。

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最初の設定(iPhoneとのペアリング)で気づくのは、まだ発売されていないロシアや東欧諸国の言語がないこと。追ってOSアップデートで対応されるのだろう。iPhone側の“Apple Watch”アプリケーションは既に対応している。

そして英語は通常の英語(USを指す)、UK(英国)、オーストラリアと分けてあり、スペイン語は通常のスペイン語の他、メキシコが用意されており、フランス語は通常のフランス語に加えカナダ版がある。
以前からパソコンの「キーボード」の入力設定にも存在したので目新しいことじゃないが、「Siri」によって音声操作が一般化してきたことで、端末側が聞き取れない可能性の高い「訛り」の認識率を上げるためかと思われる。

ロシア語圏も広いのでいずれ細分化されていくのではなかろうか。
ウクライナ人が話すロシア語や、モスクワのロシア語、極東のロシア語、シベリア付近のロシア語、中央アジア地域のロシア語はそれぞれ特徴があり、私はロシア語は全くわからないが、声だけで出身地域だけはすぐに聞き取れるという変わった特技を持っている。これが機械による認識となれば「訛り」の判別は人間以上にシビアだ。

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iPhoneとのペアリング(接続)設定が終わり、早速固定電話から自分のiPhone宛てに電話をかけてみた。
iPhoneから1秒ほど遅れてウォッチが鳴り始める。ウォッチにはiPhoneに登録された連絡先(電話帳)の情報が表示される。
ウォッチで通話ボタンを押せば、スピーカーで会話が始まるため、かけてきた人の声は周囲にしっかり聞こえる。だから最初に「アップルウォッチで応答しました」と一言必要だ。相手が通常の電話だと思ってベイビー今晩会えるかな」的なことを言うと2人とも恥ずかしい思いをすることになる(笑)。
まずはウォッチで応答して、場所を移動してiPhoneに切り替えるという使い方が増えそうな予感。

風の強いベランダで喋ってみたが、風切り音が全く入らず極めてクリーンな音声通話が可能だ。スピーカーから出る相手の声も良く聞こえる。iPodやiTunesで培ってきた音声再生技術が生きている。もはやサウンドメイクのプロでもあるアップルだ。

ウォッチに表示された相手を見て電話に出たくない場合や、今は取れないという場合は、手のひらでウォッチを覆い被すとiPhoneも含め着信音が消える。「クイックサイレント」と同じ状態で、相手には呼び出し音が鳴り続ける。この状態から「やっぱり電話に出る」という場合はウォッチの通話ボタンを押せば良い。

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iPhone 6が巨大化したことで、スーツのポケットに入れるには型崩れが美しくないし、ディナーテーブルにドカンと置いておくのもスマートじゃない。よってバッグの中に入れっぱなしになる=着信に気づかないことが増える気がしていたところ、見事なタイミングでウォッチの登場だ。
Bluetoothで接続するため10メートル以内にiPhoneがあれば着信(電話、メールなど)を知らせてくれるので、連絡に「気づかなかった」ということがなくなる。

アップルはスマートフォンの巨大化を見越して「ハンズフリー受話器」としてウォッチを用意したに違いない。
「腕時計」という従来の受け止め方には無理があり、受話器でもあるしiPhoneのリモコンでもある。

しばらく使い込んでからまた改めてレビューを書きたい。

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「Apple Watch」、米国の初日注文は約100万台、米調査会社の分析
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/041401297/


とあるが、日本ではそこまで盛り上がっていない気がするのはなぜだろう。
こういう小さな端末の開発は、日本こそが得意とする分野であり、消費者にも好まれる傾向にあったはずだが、いつのまにかモバイル大国は米国に打って変わってしまった。

今世界では「Kawaii」(カワイイ)という言葉がそのまま通じるようで、海の向こうの女の子たちがプリクラやアニメ、コスプレなどの日本テイストの“Kawaii”にハマっている。
アヴリル・ラヴィーンも最新PV“Hello Kitty”は全て日本人で固め、日本で撮影していることで評判になった。

ヨーロッパのコスプレのレベルは高く、本当にアニメのキャラのような完成度だし、アメリカは儲かる市場だとわかった途端エンジンがかかり加速する。
いつかKawaiiビジネスは日本の手を離れ、外国勢に持っていかれるんじゃないかと余計な心配をしているワタクシ。

日本人が優れているから生み出せたものもあれば、日本人が必要としたからこそ生み出されたのであって優劣の差はないものと二通りある。
必要は発明の母なりだ。

例えば米国では小さな画面のモバイル端末(例えばiモードのような)は日本程爆発的に普及はしなかったし、あんな小さなキーと画面でメールなんて打てないと言われた時期が長かった。必要と感じないから市場が活気づかず、お金が動かないから良い商品も生まれてこない。
しかしこれを「日本製は優れてるから」と高をくくってると、ある日突然巨額の資金で突撃をはかる米国勢に撃墜されかねない。
必要だと感じた途端、世界一のマーケットが動き出すことで、お金も人材も活性化される。そして日本製と変わらない、またはそれ以上のものを創り出すこともある。

「お金が動く」というのは、儲かる儲からないの話とは別に、スケールメリット(量産効果)という消費者に大きく影響を及ぼす効果・利点が生まれる。
売れる商品が製造コストを下げてくれるということ。
市場が生まれ、沢山の類似品が流通するようになり、そこに必要な部品や材料の需要が高まり生産増によって単価が下がることで、生産性と合理性のバランスが著しく改善され、より良いものを安くで提供できるようになる。

それを率先するのが市場の「リーダー」と呼ぶわけだが、ウォークマンはiPodにお株を奪われてしまったし、スマートフォンやタブレットなども海外勢の端末が売れている。そしてこのウォッチ。こんな小さな端末がメイド・イン・ジャパンでない点がどこか淋しい。

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最近の物作りは科学の領域に踏み込んでおり、職人やエンジニアの前に設計段階に科学者がいる。
全てのデータを洗い直し、研究し尽くされた結果商品として市場に送り込まれる。もちろん完全ではないにしろ、車や航空産業、造船業のように、流体力学や衝撃性能テストなど多くの科学技術・計算、ノウハウ、データがなければ作ることのできないものもある。

今、アップルにはお金と人材に加え、この「多くのデータ」のほとんどが集まろうとしている点、20年来のアップルファンの私としては喜ばしいことでもあり、日本人として懸念材料でもある。

アップルの時価総額、ロシア全体を上回る
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NF0BJD6JIJV401.html

世界一の国土面積を持つロシアの全上場企業の時価総額(赤)が、時価総額世界一の企業アップル(緑)を初めて下回ったことが分かる。

米Appleが時価総額でエクソンモービルを抜いて世界トップ企業へ
http://news.mynavi.jp/news/2011/08/11/085/

米Appleの株式時価総額が8月10日(現地時間)に米Exxon Mobilを抜いてトップに踊り出て、同社が事実上世界最大の企業となったことが話題となっている。

アップルの時価総額、エクソンの2倍以上に
http://jp.wsj.com/articles/SB10472014764830763981904580480242257030252

アップルの時価総額は、エクソンを含むどの米上場企業と比べても2倍以上に膨らんだ格好だ。

何が懸念というと、このアップル・ウォッチにはありとあらゆるセンサーが内蔵され、例えば心拍数を測定できる。
アップルのWEBサイトには、ハートのマークが相手に「ドキドキ」を伝えてくれる、とても愛らしいコミュニケーションツールとして紹介されているが、私ならこう考える。

アップルに匿名を条件にデータを送ることを同意した場合(今では多くのソフトウェアがそうだ)、例えば事故やハイジャック時のデータ収集にとても役立つだろう。ブラックボックス代わりになるということ。
ブラックボックスは事故で機体が損壊・炎上しても残るよう頑丈に作られているが、ウォッチはiPhoneの電波を通じてリアルタイムに情報を送信できるという点を踏まえると、ウォッチ自体が破壊されても既に送信されたデータはアップルのサーバーに残る

事故直前の心拍数は、どのタイミングから上がり始めたのかとデータを追うことで、多くのことが見えてくる。

例えばバスがハイジャックされたとする。そのままテロのようにどこかへ突っ込んだり爆発したりした場合、生存者がいなければ何も証言が得られない。ハイジャックだったのか事故だったのかさえわからないケースもある。
しかし爆発の30分前から心拍数データが上がっていたらどうだろう。

調査手順はこうだ。
このバスに同乗していたと思われる名簿から、ウォッチ所有者をリストアップする。
そして該当者のGPS(これも本人がデータの送信に同意している場合)情報から、当該バスに搭乗していたか否かが特定できる。※GPS座標がバスルートに沿って移動していれば乗っていたということ。
次に該当者の心拍数データを参照する。事故ならば、車前方の窓から見える風景に異変を感じた時点から心拍数が上がるだろうが、30分も前から心拍数が上がっていれば、これは既に車内で異変が起きていたに違いないと推測できる。
それが複数人いればなおさらだ。

いわゆCSIのような科学捜査班、BAUのような行動分析課は、こうしていくつかの情報を組み合わせていくことによって、事実と思われる事態を推定・断定していくのだから、このデータが集まる場所こそが今後の世の中の鍵を握ることになるんではないかと、私は思うわけだ。

※飽くまで私が考えるアップル・ウォッチの方向性だが。

こんなデータ、欲しいと思った時には追いつけない程のものとなっているだろうことを考えると、アップルウォッチのような製品が、日本発であってほしいという愛国心から発せられる感情であることを綴ってみたくもなった。

懸念というよりは願望か。

時代に合わせて進化が必要ですな。
料理人ガニエール氏も物理学者と組んでいる時代なのだし。

というわけで、通常のウォッチレビューは多くのサイトにアップされるかと思うので、私は科学者・エンジニア目線でレビューしていきたい。

我々は次なる市場で何ができるのか、探っていくのであります。

ロマンに酔いたくなったらいつかまた帰ってくるルチアーノショーへ。

追記
1.アップルウォッチに関連する投稿などを見ていると「隠し撮りが増える」というのをよく見かけるが、アップルウォッチにカメラは付いていないので隠し撮りの増減には何の影響も与えない。カメラリモートというアプリケーションがあり、これはiPhoneのカメラをリモートコントロールするためのもの。ウォッチをリモコンにし撮影はiPhoneで行うのであって、ウォッチ自体がスパイカメラのように振る舞うわけではない。

2,iPhoneとペアリングする際、iPhone側のアプリがカメラ画面となってウォッチ全体を写すのは、おそらくQRコードと同じ仕組みかと思われる。よってウォッチにアニメーションで表示されている繊細な図柄(爆発した水風船のような)にシリアル番号等が刻み込まれていると考えられる。ウォッチのRetinaディスプレイによる表現力と、iPhoneの高画素(またはハイスピード)カメラによって為し得る新認証技術だ。

3,アップルウォッチを手に持って操作していると、度々パスコードを聞かれることがある。操作する時は腕時計のように腕に装着した状態で行った方が良い。これは盗難・不正操作防止のための措置と思われ、腕に付けた状態から離れなければ本人の手元にあるだろう(その間はパスコードは聞かれない)というアルゴリズムだろう。

4,アップルウォッチは標準で38種類が用意されているが、本体自体はスポーツ(アルミニウムの通常かスペースグレイ)、ウォッチ(ステンレスの通常かスペースブラック)、エディション(ゴールドのイエローかローズ)の3×2種類で、38mm、42mmの2サイズ以外に違いはないため、別売りのバンドを別途購入すれば、オリジナルの本体+バンドの組み合わせにアレンジできる。そして既に他社製のバンド(ベルト)も発売されているので、デザインという意味では本体さえ気に入れば、後はいかようにでもなる。iPhoneケースと同じく、いずれファッションブランド各社もリリースする気がする。

下記に追記しています。
アップル・ウォッチを身につけて気づいたこと。
http://lscharlie.exblog.jp/23977644/

Photographer: Charlie

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by charlie-ls | 2015-04-24 12:50 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)

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