思い込みと気づき。そういえば最近“音”がしなくなった。

ルチアーノショー寄稿ブログ

多分”、“恐らく”こうだと思われている期間が長く続くと「暫定事実」(=ほぼ間違いない)と化し、そのうち人は何の疑いも持たなくなる。

コレステロール制限必要なし=食事摂取で新見解―米当局
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015022000168&g=int

アトピー性皮膚炎 原因は細菌の異常増殖か
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/215140.html

上記ニュースはいずれも“新しい”展開だ。
ある1点ばかりを見ていると、すぐ目の前にある真実がいつまでも発見できなかったり。

いろんなことが日々解明されていく中、人間の“記憶”(記録)はちゃんと更新されているのだろうかと思うチャーリーであります。
コンピュータで言えばメモリキャッシュから呼び出しているだけで実体参照されていないような。
使われていない回路は可能な限りスリープし省電力に努める=電流の流れない脳神経は静かに死滅していくような。
地球は常に更新され、人間の脳は昔のまま。なんてことにならないように精進するのであります。

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Apple Watch "SPORT"

そんな私の「思い込み」(我ながらショッキング)をご紹介。

Macからの旅行予約はWindowsからよりも30%単価が高い? - Orbitz調査
http://news.mynavi.jp/news/2012/06/29/061/


2012年の記事だが数日前偶然たどりついた。
この傾向について、仕事上やむを得ずマックを選択している人を除き、元々Windows機と比べて「高い」と言われ続けたマックを使っている人は、所得が高いか自分にお金をかける人(独身などの理由も含め)なんじゃないかと考えた。

が、「マックは高い」と信じ込んでいる自分にふと気付き、15年来の付き合いになるソニー社の“VAIO”の価格一覧を約4年ぶりに見てみた。
※20年ずっとマックユーザーだが、どうしても検証用Windows機が必要で、常に1〜2台はVAIOを持っている。

するとどうだろう。MacBook Airや新型MacBookと同等スペックの機種はVAIOの方が高いではないか。
※そもそもアップルの筐体素材は原価が高く、機械的なスペック以上の資産(資源)価値がある。
そこでgoogleを見て回ったところ、2012-2013年頃から、「いや、意外にマックの方が少し安い」説があるようだ。

下記の記事は価格比較代表例。
WindowsユーザーのためのMac入門:第1回 Macってどうでしょう。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1409/25/news088.html

私は昔から周囲にパソコン選びについて相談されることが多く、当然これまで迷わずマックを勧めてきたものの、「でもマックって高いからね」と言われると特に調べもせず「そうだね」と返事していた。

すまんっ。訂正する。

どうやら多くの記事を総合的に見て「Windows 8」機が主力(2012年後半)になってから、マックの方が1万円程安いようだ。
※アップルジャパンは為替変動を理由に今年03月に国内価格を10%程値上げしたが、私が必要とするスペックで比較すると1万円以上安いように見えた。

前回のスターバックスでドヤリングの記事を書きながら、どうしてMacBook Airがこんなに多いのだろうかとあれこれ検索・ヒアリングしてみたがそれらしい理由が見当たらず、もしかして価格に大差なくなったんじゃないかと考えてみたのがきっかけ。
最初はiPod、iPhone、iPad、iTunes、App Store、iCloudなどの普及でマックへの乗り換え組が増えたのかと思ってもみた。しかしこの1〜2年は「マックの方が安い」というのも大きな理由の1つじゃなかろうかということがわかった。
※2006年以降、BootCamp機能でマックにWindowsをインストールすることもできるので、価格差がなくなることで、特別な用途を除いて迷う理由も減ってきたかと思う。

「常識」とか「一般的に」という情報が3年も持たなくなりましたな。
2000年頃までは10年(または12年)一周期だったのが、今じゃ「3年」というより、ある日突然どこかの革新的な何かによって覆されることも出てきた。冒頭のコレステロールやアトピー性皮膚炎のニュースのように。

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そして最近あることに気がついた。
クリックという言葉が「最新」から徐々に「現在〜過去」のものになりつつあるということに。

iPhoneやiPadなどタッチパネル端末が主流となり、画面を軽く触れることを“クリック”ではなく「タップ」と呼ぶ。
英語のクリック(click)という言葉は「カチッ」という音のことをいい、パソコン操作のために存在する専門用語ではなく、例えば現地(英語圏)では顎関節症の人の顎の骨がひっかかる音を「クリック音」と言うように、元々は「カチッ」を指す単語だ。

“タップ”だと触れるだけなので「カチッ」と鳴らないから、ネイティブ(英語圏)の人たちにとっては全く別物。

日本人にしてみたら外来語で、その辺曖昧な人が多く、あまり細かく指摘すると「とにかく機械のボタンを押すってことよ、言わなくてもわかるでしょ」と怒られかねない。
しかしタッチパネル端末が当たり前という世代が大人になる頃には、「そこをクリックして(上司)」「すみません、今手元にパソコンないんですけど(新入社員)」「タップのことだから(中間)」という会話も増えるに違いない。

そして大人たちは「若い者は理屈ばっかりで」とため息を漏らす。
いや、あんたが言葉間違っただけだからみたいな。

iPhoneのホームボタンのように2つの機能が付いているケースもある。
こういう場合、タップとクリックで動作が異なるので、もうちゃんと分けて表現・認識しなくちゃいけない時期に来ている。

日本語で言うと「触れる」と「押し下げる」は言うまでもなく異なる。

例えると、戦後間もない頃は多くの日本人にとってフレンチもイタリアンも区別が付かず「洋食」「和食」で区別していたような。
いずれ「常識(教養)化」されてくると、南フランスのとかイタリア南部のとか更に細かくジャンル分けするようになる。ワインもまさにそうだ。
が、地中海料理やスペイン料理、エスニックに中華にメキシカンにと溢れてくるとまた違いがわからない人が増え(興味がない人にはどうでもよくなってしまうことも含め)、「ガスパッチョってフランス?イギリス?」という人も出てくる。そして「どこでもいいじゃん、美味しければ」と締めくくる。
でもよ〜く考えると、言語自体がネイティブ(母国語)だったら言葉を聞けば判別できるはずだから、そのくらい“外来語”には疎いということ。
フランス人に言わせたら「サウンドからしてガスパッチョがフランスじゃないことくらいわかるでしょう」といった感じ。日本人からすると和食じゃないし、中華じゃない(漢字じゃないから)ことははっきりしているような。

※ここで「外国語」と言わず「外来語」と表現しているのは、日本語訳となる言葉が割り当てられず、英語のまま使われているため。「クリック」を日本語に置き換えて説明しているシーンや書物を見たことがない。

タップとクリックの違いはソレと似ている気がする。
変化の最中には気づかず、10年も経過し世代交代を実感する頃に、そういえば「クリック」で通じないことがあるなと気づくのではないかと思う。

/*
クリミナル・マインド FBI行動分析課のシーズン3を見ていたら(2007年/米)「PDA」という言葉が出てきた。
プレンティス捜査官が熟年のロッシ特別捜査官に「PDAに送ります」と言うと「PDA?」という顔をするロッシが印象的だ。
今ではそれを通り越してPDAという言葉は使われなくなった。当時はそれなりに勢いのあったBlackBerry(ブラックベリー)やSymbian(シンビアン)という言葉も日に日に聞かなくなっている。その頃のアメリカの映画・ドラマではブラックベリーがよく登場する。

以前は携帯電話とPDAとデジタルカメラとmp3プレーヤーは別々の端末だったが今ではiPhone(またはスマートフォン)1台にまとまっている。iPhoneは高いが、総合的に見ると全ての端末を個別に買いそろえるよりは安くなっている。これらは物価の動向に大きく影響する。

PDA(携帯情報端末)を最初に世に送り出したのも語源も米アップル社から。まだ1990年代のことで「Newton」(ニュートン)という端末だった。その後Palm(パーム)が流行った(私も持っていた)が電子機器通の間だけにとどまった。
2000年初頭から徐々に携帯電話市場と競合し、2007年米アップル社の「iPhone」によって携帯電話に統合され「PDA」は再定義された。2008年に「Android」が登場し、現在のスマートフォン市場を築いている。
*/

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「音」がない。
iPhoneやiPadなどは、タッチパネルのキーボードで文字入力するのでキーパンチ音がない。
当然「変換」キーや「確定(リターン)」キーを“叩く”あの音もない。
※そもそも「変換」とか「確定」は日本の文化だ。英語圏には変換がないから確定もない。「改行」のみ。
そしてクリック音もなければマウスを動かす音もない。タッチパネル上を撫でるだけ。

気がつけば「音」がなくなっていっている。
厳密には端末を操作する音が。

以前は速打ちキーパンチャーなんかが夜中家でメールを打とうものなら十二分に家族に迷惑をかけたものだが、iPhoneやiPadのメールだったらディスプレイの明かり以外は特に周囲に迷惑をかけることはないかと思う。

私はいろんな判断を音に頼っているところがあるので、車の接近なども視覚より聴覚で感じる方だった。
しかし今のハイブリッドカーなんて音は皆無だし、ひかれる寸前っていう距離でも気づかない人たちをよく見かけるようになった。
危険を察知する感覚も変わってきているということ。
だから「車が走ると音がするものだ」という常識はもう成り立たない。

デスクトップパソコンにマウスをつなぐように、ノートパソコンにも昔からトラックパッドという操作装置がある。
これはiPhoneやiPadなどのように「撫でる」操作が多いが、クリックという従来の操作も共存していた。
※トラックパッド自体を押し下げるものもあれば、クリック用のボタンが別途下についているものもある。

このトラックパッドが徐々に進化し、シングルタッチ(1本指)からマルチタッチ(複数本の指)が当たり前になり、現在では「ジェスチャー」と呼ばれる指先の動きで操作するようになった。

マルチタッチジェスチャーによって、他の操作装置に手を伸ばすこともなく、多くのことが手元で操作できるようになり、例えばピンチイン・アウトは縮小・拡大を行い、スワイプは「ページをめくる」こともできる。

/*
アップルストアで最新機種を触る人たちの中から「動かない」という声が何度も聞こえてきた。スクロールバーも表示されていないし、クリックするボタンもないし、マジック・トラックパッドを操作する指の本数が異なると思うように動かないし。ボタンの数は減ったが操作方法は複雑化しており、マウス感覚で触った人が困惑した様子だった。
*/

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いずれはダブルパッドで両手操作になるだろう。
キーボードで言うオプション(alt)キー、コントロールキー、コマンドキーのように、左手の指と右手の指を組み合わせによって、タップa、タップb、タップcという「1タップ」にも複数の意味を持たせることができる。
そのうち「手話」なみに“手元操作”(すなわち「ジェスチャー」)が大きな意味を持つようになるに違いない。場合によっては言語の概念を変えたり統一したりさえするかもしれない。

最新のMacBookやアップル・ウォッチには更に「感圧」センサーが付いていて、タップでもクリックでもなく「プレス」と呼ばれ、強めに触れる(これこそ「押す」だろうか)という動きも加わった。

そしてこれらには「音」がない
車や電車くらい、100年、200年とかけて進化していけばまだ順応しやすいが、1年、3年という単位で劇的に変わると、人間の社会的な「反射神経」が及ばなくなる気がするし、実際に新しい端末を購入しながらも新しい操作方法の習得を放棄している人を多数見ている。

というわけで身をもって感じるのが一番、私は2週間マジック・トラックパッドだけでパソコンを操作してみたところ、猛烈に肩がこったし一時的に許容しがたい仕事効率の低下が見られた(笑)。
ドラッグ&ドロップする際、パッド面が途中で足りなくなってしまい、ファイルやフォルダを目的地の手前で落としてしまったりというのは内緒にしておくつもりだった()。

/*
マルチタッチジェスチャーは、2007年発売のiPhoneおよびiPod Touchから実装され、2008年製のMacBook Airからノートパソコンにも採用された。
私は2007年のiPod Touchからマルチタッチディスプレイを使用していたにもかかわらず、長年2本指操作にとどまっていた。
マイクロソフト社は次期「Windows 10」で3本指マルチタッチジェスチャーを実装するそう。Windowsが占める市場シェア的にマルチタッチジェスチャー化が加速するだろう。

トラック(タッチ)パッド自体の歴史は古く、1994年アップル社製ノートパソコン「PowerBook」に搭載され一般商品化された。

そのうちパソコンも現在の物理キーボードはなくなり、ガラス製のプレートに電源を入れたときだけLEDで文字(キー)が浮かび上がり、静電気(タッチパネル)でキー入力するという(すなわち仮想キーボード)時代になるだろう。
これはタッチパネルのキー入力と同じ仕組みで、キーを割り当てた座標(例えばX7,Y9を「A」とする)、手が触れて静電気が発生した座標を取得
(これがX7,Y9なら「A」と認識)する方式。ソフトウェアプログラミングだけで実現できるため、日本語キーボード、英語キーボード、ロシア語キーボードなど分けて製造する必要もなく、キーボード機能を起動する際に言語を選択するだけで済む。
各キーが物理的に存在する必要がないので、キーボード機能をオフにすればその他のタッチパネル画面として(例えばトラックパッドとして)機能させることもできる。
またキー配列も自由自在なので、パスワードの入力時など最近のATMのようにキー配列を毎回変更することもできる(指紋や手垢から押したキーを盗み読まれないようにするため)。

*/

タップ、ダブルタップ、スワイプやピンチイン・アウトなどの1〜2本指操作はiPadやノートパソコンのトラックパッドで慣れていたが、本指デスクトップを表示、調べるなど)操作がとっさに出てこない。そしてさっき調べたばかりなのに「3本指でどう動かすんだっけ」とまた調べてしまう。その繰り返し。

一言でいえばおっさんってことですか。

15〜20年前、パソコン教室に通ってマウスやキーボードの操作を習う中年男性を見ながら「大変だな〜」と人ごとだった私。
その手前、意地でも自力でマルチタッチジェスチャー(4本指まで)を習得しようと励むチャーリーであります(笑)。

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ちなみにノートパソコンに搭載されるトラックパッドは、マウスの設置面積がいらない分、本来は狭い日本にぴったりな発想。
狭いカフェなどでも操作できるため、これも日本発であってほしかったテクノロジーの1つだ。

いずれはフォークとナイフも変わるのだろうか。
適度な熱伝導素材はアリだが。

Photographer&Engineer: Charlie

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by charlie-ls | 2015-05-07 00:31 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)

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