言語性知能。片言の外国人との会話から考察。

既にお察しかと思うが、私の興味はもはやIQでもなんでもなく(笑)、統計(と傾向)だ。
IQという切り口から入っているだけで、納税額でも所得でも色盲でも、統計から面白そうな傾向が読み取れたらテーマは問わない。どうやら私は統計マニアのようだ。

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アメリカのドラマ「クリミナル・マインド」において、ドクター・リード(IQ 187)がバーで女性をくどく(仕事の)シーンにおいて「女性と何を話していいのかわからない」と同僚のデレク・モーガンに相談した。「自分の得意なテーマを話せ」とアドバイスをもらったリードは「統計学!」と言う(笑)。モーガンは「やめとけ、オレを信じろ。それは絶対にやめろ」と言う(笑)。そして手品に落ち着く。その点私は話題で悩んだことはないので、統計オタクではないようだ。
※IQ 187ということは恐らく標準偏差24値ですな。
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今回はこんな記事から。

ギリシャ型は知能指数が高い? 高IQ集団メンサ会員の80%はギリシャ足
http://omoroid.blog103.fc2.com/blog-entry-649.html


日本のメンサ会員の足を調べたのは、脳科学者でありメンサ会員の中野信子さん。
すぐに自分で調査してみるってところがいいですな。

動作性行列推理のように、規則性、法則、共通点を見いだし、データ化することはとても大切だと思う。
今でこそウイルスのゲノムが解明されているが、昔は統計で薬を作るしかなかった。咳が出る人はこう、くしゃみが出る人はこう、両方出る人はこうといった具合に。「確率的に効く可能性が高い」という考え方。今では生まれた時から何でも目の前に「商品」としてあるものだから、自分からデータを拾い集めて統計化しようとする人が少ない。

ちなみに私の足もなんちゃってギリシャ型
長さ自体は人差し指の方が明らかに長いが、もっと下の方から生えて(?)いるので、親指より上に出るのは少しだけ。

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カバーページでご紹介した『知能のパラドックス』に、知能が高い人は「エレベーターミュージックが好き」と書かれていた。
私の場合好きな曲が流れていることはほとんどないが、常に記憶していて、食事の際に「さっきの曲」と言っても誰も覚えていないことが多い。
*/

その他、こんなデータも。

大学研究チーム「歯を失うと記憶力が低下する」
http://rocketnews24.com/2013/07/01/344112/


スウェーデン頑張ってますな(お隣のノルウェーも)。
こういう関連性って、人間が誕生した時には既にそう設計されていたのだろうから、気付くか気付かないかだ。
今できたものでも突然降ってきたものでもなく、人間はそれに気付き、理解しようとしているだけ。でもそれが大きな前進であり進化だと思うと、気付きって本当に大切で偉大だ。


もそものテーマ「知能」について、私が言語性知能をあまり重要視しないもう1つの理由がある。
※私の場合、言語性と動作性に開きがなく、言語性の恩恵も受けている(「わずかに聴覚優位の可能性」という検査報告書から)ことも理解しているため否定する理由はないが、知能検査における有用性はあまり感じない。

例えば、自分は頭がいいと思っている人。例えば高学歴であるとか。
※勉強して暗記して知識があるのと、頭が良いのはまた違う。
そんな人が片言の外国人と話すとおもしろいことになる。
なぜか日本人と話す時のまま、熟語それも四字熟語を使って話そうとする。
肝心な笑いを取るところで難しい言葉を使って説明に時間を取られ間が空く。
通じるわけない言葉だろうと、何度聞き返されても、さらに他の熟語で返答する。
しまいには大きな声で話すようになる。

知らない言葉はボリューム上げても通じませんよ034.gif

私みたいに英語わかんない者が、英語の曲のボリューム上げても歌詞が聞き取れないのと同じだ。
片言の日本語ということは、小学校低学年の子と話すような言葉を選ばなくては通じるはずがない。
それは言語能力(言語性知能)が低いのではなくて、相手はまだ日本語を勉強しだしたばかりなのだから「知らない」だけ。

日本に来て日本語を学ぶ外国人は、まずひらがなを習う。これこそが日本語だから。
そしてカタカナ。日本人が作ったから。
あとローマ字の読み方。あれも日本式だから。
※ローマ字は英語で「romaji」であり、日本語のあいうえおをそのままアルファベットに当てはめているだけなので、通常の外国人には通じないが、日本語を勉強した外国人や、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語のように母音がはっきりした言語を話す人達には、比較的読み取りやすい(発音を確認しやすい)。

ちなみに絵文字は海外で“emoji”だ。日本発だから。

それに対し「熟語」はほとんど音読み漢字の羅列
例えば「東欧」(とうおう)。
片言の日本語の外国人と日本語で話す際「東欧出身の方ですか?」とか言わずに、字のまま訓読みで「ひがしヨーロッパの人ですか?」と聞けばとりあえず通じる(「欧」自体当て字なので「ヨーロッパ」に置換)。
通じなければ「ヨーロッパのこっち→のほうの」(北半球にいれば「→」)とジェスチャーを加えることで、「はい、イースト・ヨーロッパ、そうです。ルーマニアからです」といった具合に返ってくる。

漢字は元々中国語であり、日本の入国管理局の書類にも「Chinese character」と書いてある。日本人に名前を漢字で書いてくれと言う時は「Chinese characterで」と言う。「中国文字」だ。「和字で書いて」ではなくて。

だから外国人が漢字を習うのは最後。もう1つの外国語だから。
アメリカに行って英語勉強しながらC言語も学ぶような感じ。
そりゃ大変だ。だからほとんどの外国人が後回しにしたまま漢字は勉強しないことが多い(笑)。

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インターネット上の議論では、日本人が何かやらかして世界的なニュースになると、何でもかんでも「在日」(特に朝鮮、韓国、中国)で片付けようとする人がいるが、こんなデータもあるのでご紹介する。

保守的、差別的な人ほどIQが低い傾向が明らかに
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20150723/Buzzap_30249.html


mtDNAミトコンドリア・ハプログループ(mtDNA)で言えば、6〜7割の日本人は朝鮮半島、中国にルーツを持っているため(半島、大陸経由と呼ばれる)、そこ(在日3カ国)を批判すると、結果としてブーメランのように自分のmtDNAを批判することになるのではないかと思う。だから賢い批判方法とは言えない。少なくとも60兆個のエネルギー源と、二酸化炭素の放出源が同じ「型」だということ。もしかすると体臭も似てるかもしれない。

mtDNAは母子遺伝なため、お母さんのお母さんのお母さんのお母さんと辿っていくと最初のお母さんにたどり着くことから、アメリカを中心に検査・統計化が進み、ここ15年程「人類のルーツを探る」系の書物や特集が増えている。起源はアフリカのL3型というハプロタイプだ。google創業者の奥さんが3年程前に始めた遺伝子検査サービスでも調べられる。

ちなみに私のmtDNA「F」(F1)型はヨーロッパ人型(日本人の3〜4割、F型は約5%)なので、L3→N→R(ここで枝分かれ)→F→F1という具合に分岐しており、ルーツ的に言うと(何万年という単位だが)L3からMに分かれたアジア人よりもN系のヨーロッパ人の方が近い。6年程前に遺伝子検査を受け判明した。中国南部に分布しているF2系とは異なり、完全マレー系(南方経由)の日本上陸組だ。外国人女性達と踊る(揺れる)と、他の日本人と体臭が違うと言われることが多い。
*/


しかし、こういう(熟語を使う系)人に限り、“オランダ”を「オランダ?」(尻上がり)「オンダ(アクセントの位置変えて)「オランダに行ったことありますか?」(結局日本語)と声が大きくなっていく。
オランダをどう発音してもボリュームを変えても、エフェクターをかけてもエコーを効かせても通じない。
「Nederland」(Netherlands)だから。
オランダから来た人にならオランダで通じるだろう。日本で母国が何と呼ばれてるか最初に確認するから。
でもそれ以外の国の人に、オランダをオランダと叫んでも通じない

こういう熟語→ボリュームアップは、決まって高学歴な人に見受けられる。
多分、当たり前のことが当たり前に通じず途中でイライラしてくるんじゃなかろうか。だとすればこれも前項に続いて「感情論」の領域だ。会話が成り立たないんじゃなくて、成り立たせる気持ちがない、自分の言葉で通じさせないと気がすまないとか。
※かといって英語で話そうとはしない。ま、オランダという単語でつまずいてしまうと仕方がない。
仮にどんなに言語性知能が高かろうとも、そんな人を見て私は頭が良いとは思わない。
一言で言えば、日本人以外に通じない能力でしかないし、もしかすると日本人にも通じないかもしれない。

難しい言葉を使って喋るのがスゴイんじゃなくて、どんな人にでも通じやすいしゃべり方ができる人をスゴイと思う。
いろんな例えができて、相手が日本人でも片言の外国人でも通じるように巧く話せる人。
巧く。匠(たくみ)。それが「応用」であって、国語や語学の勉強の成果じゃなかろうか。

ただの「記憶」(知識)は、使いこなさなければ、置いてあるだけのパソコンと同じだ。
記憶(メモリ)とは操作する人次第でいかようにでも料理できる。

だから言語性知能は知能ではなく後天的な知識だと思う。
知能は知識を制御する方。

/*
カバーページでもご紹介しているが、行列推理に必要とされる空間生知能、論理的推理能力においては遺伝が占める割合が7割を超え、一方で言語性知能は唯一10%台であり9割は後天的なものだ。

「知能指数は80%遺伝」の衝撃
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120118/296619/
*/

外国人の買い物なんかに付き合うと、そんな接客ばかりを見ることになる。
「在庫を確認して、ご連絡差し上げます」「今年は猛暑らしいですね」「お正月は帰省されるんですか?」
日本に住んでしばらくすれば「確認」「連絡」は通じる人も多いが、「在庫」とか「猛暑」とか「帰省」はもうちょっとわかりやすくならんかねと思う。音読みばっかりだし。
接客用語で話すことが正しいサービスだと「覚えた」だけで、考えて接客はしていない。と私は思う。
敬語で話していれば失礼はないと覚えただけで、考えては話していない。と私は思う。

これが詰め込んだ知識と頭の良さは違うと思う根拠。

「ストックをコンファームして、わたしテレフォンあなた、スーン!030.gif
って言ってほしいんじゃないが、もしそんな人がいたら性格は良さそうだなと思う(笑)。
比較的、それほど高学歴じゃない人に多い気がする。
仮にIQは高くなかったとしても、接客した相手を気分よくさせるはずだ。
ひいては会社のためになり、自分のためになる。結果として賢い。
それこそがサービス業における知能じゃないかと私は思う。

何がないからダメだじゃなくて、あるものでどれだけ何ができるか
シーザーサラダみたいに。

最終的に伝えたいことが伝わるように話せる人が「賢い」と思える。
例え相手が外国人であっても。

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それはもちろん相手の母国語で話せたらスムーズだが、日本に来て日本語を学んで、片言の日本語で話しかけてくる外国人は、日本語で話したい(勉強したい)と思っているのだから、相手の母国語で話すのは「私があなたに合わせる方が早い」(自分でやった方が早い)の考え方。

ちなみに、外国人と話す方が意思の疎通がうまくいきやすいという説を聞いたことがある。
難しい言葉や表現がわからない分、イエス!ノー!など、誰が聞いても他の受け止め方ができないようなコミュニケーションになるかららしい。私もそう感じることが多い。日本人同士では、遠回しかつ遠慮がちに、行間を読み取りつつ空気まで読んで、更には謙遜しながら顔色を見てTPOをわきまえながら自分の立場を考えて社交辞令を言う、とても難しい会話をしているので、そもそも日本人同士も通じ合っていないことが多い。色がわからないシーンにおいても同じことが言える。
*/

そこで「知性」が「個性」としての要素を持つ場合、それが邪魔してダイナミックなことができない人もいる。ルー大柴みたいなしゃべり方は柄じゃない的な。
でも相手は柄とか模様は気にしていない。
そこで相手が一瞬笑ったとしても、後からじわじわとその「わかりやすさ」が伝わり、いつか手を叩いてくれれば、結果として「あの人の話はわかりやすい(聡明な人だ)」と印象づけられるのだからそれでいいと思う。

自分の成長過程を思い出せば相手にどう接するべきかわかる。
ピアノを習いに来た3才の子に、(フランツ・)リストを弾いて聴かせて「わかる?」とは言わない。
バイオリンを始めたばかりの生徒に、(ニコロ・)パガニーニを弾いて聴かせて「こういうことよ」とは言わない。
自分がそんなことされても困るし、子供相手に初心者相手にそこでドヤ顔しますか的な。

人を育てない人ほど「見て学べ」という。
見て解る範囲のことしかなければ、3ヶ月も経つと全員辞めちゃいますな。

私が感じる「頭がいい」は、たくさんのアプローチができる人だ。
タバコとか煙が嫌いなスタッフが葉巻を勉強したくなるような。嫌な思い出からお酒嫌いなスタッフがソムリエになろうと決心するような。ファッションに全然興味がなかった人がお洒落をしたくなるような。メイクなんて「無駄」と思っていた女性が、会社帰り密かにデパートの化粧品売り場に向かってみたくなるような。

「喋りが上手」とはまた違う。
魅力を感じさせるアプローチができる人といった感じだろうか。

そう。それこそが、私がブログを書くということを通じて、学ぶべきところなのだ(一人で納得)。
というわけで次項では脳と心について語ってみたい。

■現在 7/10 ページ。
◀前のページ「知能レベルが高い人ほど人を信じやすく、低い人はあまり人を信じない?」へ。
▶次のページ「知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。」へ。

■目次
 1ページ:噂のメンサは本当に高知能なのか。実験台になってみた。
 2ページ:WAIS-III ウェクスラー成人知能検査を受けてみた。全額負担で。
 3ページ:オンラインIQテストの信憑性をメンサ&WAIS-IIIと比較。
 4ページ:Cambridge Brain Sciencesをやってみた。
 5ページ:「上位2%」は100人に2人や50人に1人とは限らない。パラドックス的な。
 6ページ:知能レベルが高い人ほど人を信じやすく、低い人はあまり人を信じない?
 7ページ:言語性知能。片言の外国人との会話から考察。 現在ページ。
 8ページ:知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。
 9ページ:東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。
 10ページ:頭と心、理論(Logic)と感情(Emotion)。
 あとがき:知能指数とは。良き理解者へ。あとがき。
 別冊:色盲とIQ。色が絡むとIQ(判断力?)が著しく下がる。
 別冊:知能指数(標準偏差15,16,24換算表)と出現率をエクセルでまとめてみた。
 別冊:国別のノーベル賞受賞者数とメンサ会員数。
 追加少年からのお便り。
 追加知能検査で天才を探す欧米と、診断目的でしか使用されない日本。
 追加学力偏差値でいうところの上位2%とは。
 追加IQ 162以上を正確に測定できるのか。唯一の解答者は「運命の人」なのか。
 追加賢い人、賢くない人の特徴。IQ、学力、知識を束ねるのは性格(感情)。
 追加天才とEQ。スティーブ・ジョブズのEQは高いのか。

Photographer&Engineer: Charlie
JAPAN MENSA会員
AEAJアロマ検定1級(笑)

チャーリーのタンブラー(毎日更新、日記・ブックマーク的な)

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by charlie-ls | 2015-09-10 11:05 | 寄稿ブログ

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