大衆迎合がヒトラーを生む? アドラーの心理学的視点で前編。 <自由部門>
2017年 01月 23日
今回はこの記事から。
ポピュリズムに警告=「ヒトラー生む」とローマ法王:時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012200058&g=use
これもドナルド・トランプ効果じゃないかと私は思う。これまで立場ある(影響力のある)人達が思っていても、わかっていても口にしなかった見解や考えが割とサクっと率直な表現で表に出てくるようになった。
ローマ法王は21日付のスペイン紙パイスに掲載されたインタビューで、ポピュリズム(大衆迎合主義)がナチス・ドイツの独裁者ヒトラーのような「救世主」を生み出すと警告した。
10年前だったら“炎上”していたに違いない。
ヒトラーが悪であり、ヒトラーという人物が独裁者であり、ヒトラーが虐殺を行った、だから一国の主は「ちゃんとした人」を選ばなきゃいけないと脳にインプットされている人が多いと思う。そのための選挙だと。
しかしこのインタビューでローマ法王は、大衆に迎合するとヒトラーのような独裁者を生み出すと言っている。
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昨夜書いた「含意」(論理包含)で言うと、「大衆に迎合するならばヒトラー(のような独裁者)が誕生する」という言葉は、「迎合しなければヒトラーが誕生しない」とイコールではない。「迎合しなくとも場合によってはヒトラーが誕生する」かもしれないが、「迎合すると大いにその可能性が増す」ということだ。
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原文を見ていないのでここで「救世主」と訳されている単語が何かわからないが、意味としては、大衆はヒトラーのようなタイプを救世主だと勘違いする生き物だということであり、イギリスEU離脱劇のことも含め、昨今の大衆の決断を指しているだろう。
私は1つの恋愛が終わって愚痴モードに入った女性の話しを聞きながら、いつもこう質問する。
「もし相手を貴女の好きに自由に選べるなら幸せになれる自信があるか」
答えは大方「Yes」だ。「もちろん」まで付いていることが多い。「そりゃそうに決まってるでしょ」もある。
しかし現実は違う。アメリカのドラマ『ビッグバン★セオリー』において、ペニーが「あぁ〜イヤになっちゃう。また失敗しちゃった。いっつもマッチョなバカ男ばっかりに惹かれる」と嘆くシーンが非常にしばしば(very often的な)出てくる。そして見るからに頭の悪そうな顔の男性が映し出される(笑)。
「もし自由に選べるなら」という条件に反応してしまう人は、普段何かしらの不可抗力(権力また足かせなど)によって、「●●させられている」という被害者意識が心のどこかにある。
要するに「自由には選べなかった」「そうするしかなかった」「友達も賛成したし」「友達の紹介だったから」「すすめられたから」と環境のせい、事情のせい、他人のせい。
自分が自分の好みで、自らの意思でその男性を選択した(好きになった)という自己責任の意識がない人が多い(自分で責任を負わない場合は保護者が必要だ。会社では責任者がその立場と言える。嫌なら全員個人事業者になるだろう)。が、どこかで、自分の選択(好み)自体が間違っているかもしれない可能性について考え直し、受け入れる(このまま変わらない)か改めるかする必要がある。
もし決断したつもりはなくとも、事実変わらない(同じ失敗を繰り返す)ということは、変わらない決断を下している。「このままの自分で行こう」という決断だ。
※これらの考え方は「アドラーの心理学」に詳しい。
※恋愛の例えは女性だが、多くの男性も同じだ。
自分の「決断」というと急に自己責任(自分のせい)になるから、「そんなことはどこにも書いてない、証拠見せろ」とか小学生みたいなことを言い出す人もいるが、「分岐」(分かれ道でどっちを選ぶか)と置き換えてみると受け入れるしかない。
例えばプログラミングでいう「if」分岐。
if($watashi == '今までと同じ'){renai("マッチョなバカ男");}
else{renai("賢くスマートな男性");}
ココでは、もし変数watashiが「今までと同じ」なら、恋愛関数に引数として「マッチョなバカ男」を渡し実行している。戻り値は恐らく「失敗」だろう。戻ってくる値がわかっていながら実行している自分がいる。重要なのは、検討しても(惹かれたり好きになっても)「実行しない」という選択権が与えられている中で発生する失敗であるということだ。
※決して、惹かれたり好きになること自体が悪いわけではない。それは恐らく生物学的(遺伝子的)な反応だからだ。
人は常に選択を繰り返し(多くは単純明快な2択。DoかDon'tか)、その結果の集合体として生きている。だから同じ失敗を繰り返す人は、それを選ぶことを自分で決めてしまっているから本人以外誰も悪くない。
※人生は2択の集合体だ的な考え方は、ベルヌーイ試行の収束に例え何度か書いている。ご興味のある方は。
話しを政治に戻すと、この恋愛の例えのように、政治家が悪い、政治家はバカばっかり、政治家なんて無能だという前提(他人のせい)で「今の自分がこう(不幸)なんだ」と考えている人が多いから、今までとは全く異なる(例えば強権的とか強硬派とかタカ派とか)タイプのボスを選ぼうとする。
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そこで恋愛の例えの出番だ。
ならば「バカ」や「無能」ではない政治家を選ぶ(見抜く)能力があるのかと問うてみるべきだ。
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もし今自分が大金持ちで大成功していたとしよう。どうだろうか。今までとは全く異なる大統領を支持したり、国がEUなどの連合を離脱する選択をするだろうか。いや、これまでの環境(政治)下で勝ち取った成功が不安定になる要素は極力避けたいと考える人が多いだろう(余程のチャレンジャーやアドレナリン中毒を除いて)。「安定」を望み、「守り」に入るとはその状態を指し、何ら不思議なことではない。
よって、環境(ボスやルールなど自分以外のもの)が変われば自分も良くなると考える人は他人に依存していて、結局はあなた任せ(頑張るのも他人、失敗して責任を負うのも他人、自分は人のせいにするだけ)であることが多い。傍観者であり、蚊帳の外に生き続けることを選択している。
※ちなみにルールを変えても上位を占める人達が変わらないパラドックス的な要素がある。
すなわち政治とは、国民のために行うものであっても、国民の言う通りにすべきではないし、国民に委ねるとヒトラータイプの政治家が権力を握ることになると警告するに至った。
ローマ法王は。
驚くべきことだし、時代は変わろうとしていると私は感じる。
後編に続く。
チャーリー(@)
JAPAN MENSA会員
AEAJアロマテラピー検定1級
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー
AEAJ認定環境カオリスタ
AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
AEAJ認定アロマブレンドデザイナー
AEAJ個人正会員
JAMHAメディカルハーブ検定1級
JAMHA認定メディカルハーブコーディネーター
JAMHAハーバルセラピスト試験合格
ITパスポート試験合格(笑)。
情報セキュリティマネジメント試験合格
臭気判定士試験合格
薬学検定1級合格
HTML5プロフェッショナル認定資格 レベル1試験に合格。
個人情報保護士認定試験に合格。
■チャーリーのタンブラー(毎日更新、日記・ブックマーク的な)