2014年 06月 05日 ( 1 )

ルチアーノショー寄稿ブログ

スイス銀行」に口座を持つことがステータスだった時代がある。
80年代頃までの映画では、“悪党”は必ず「スイス銀行」に資金移動していた。
資金洗浄(マネー・ローンダリング)が主な目的で、なおかつ所得・財産隠しの場として活用された。それも“黒い”お金の。

名優スティーブ・マックイーンの代表作「華麗なる賭け」(The Thomas Crown Affair)でも同じくスイス銀行の口座が登場する。
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※後に007 James Bondで有名なピアース・ブロスナンもトーマス・クラウン役を演じている。

映画カジノ・ロワイヤルにおいても、カジノで大儲けしたジェームズ・ボンドのお金はスイス銀行の口座に振り込まれるというシーンがある。

しかし、本当にそういうシーンをリアルに見聞きしたことがあるかと言えば、ナイ
というのが今回の視点。

日本と同じ永世中立国を名乗り、戦争・侵略とは一線を引き、そして「絶対秘密保持」を貫くことで世界中の預金を欲しいままにした。と言われている。それがいわゆる「スイス銀行」だ。

が、厳密には「スイス銀行」という銀行は存在せず、UBSやクレディスイスのようなスイス資本の銀行のことを指す。
※外国の人達が、みずほ銀行や三井住友銀行などを「日本銀行」と呼べばソレと同じである。

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スイスフラン(CHF)。

日本で言う「黒塗りのベンツ」のような“代名詞”と同じく、いつのまにか世代を超えて定着した名称である。
※田舎に行くとベンツの代わりにスモークの“クラウン”がその役を担っている(笑)。
黒塗りのベンツ=ヤクザだとすれば、MKタクシーはヤクザにならないか(笑)。車は全部「黒」だし、ベンツ車両も数多く保有している。

2000年初頭あたりまでだろうか、個人金融資産が1億円を超えてくる頃、UBS銀行などから「プライベートバンク」のお誘い(手紙)が来るのが定番だった。その“インビテーション”をもって、富豪(資産家)の仲間入りを自覚するのである。
これがいわゆる「スイス銀行」への入り口だ。
インビテーションの発行は、税金の公示(今ではなくなったが)や不動産登記情報などから推定資産が算出される。何気に手堅い情報源である。

米資本のシティバンク、フランス資本のBNPパリバ、そしてルチアーノショーが入居するビル“The Hexagon”の1,2Fに君臨していたHSBC銀行もプライベートバンキングを展開していた。
しかし、いつしか日本では全てのプライベートバンクは撤退し、HSBC銀行においてはその事業さえも日本から出ていってしまった。

秘密を守り抜くことで顧客の信頼を勝ち得てきたスイスの銀行達は、「悪党のお金を匿っている」と世界中から批判にさらされていた。
そこで渋々情報を開示するようになったスイスの銀行は、一気に資金が国外へ流出するだろうと予想されていたが、実際そうはならなかった。
ある記事では「意外に綺麗なお金だったようだ」と表現されていたことが印象深い。

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意外」は何を前提に「意外」だったのかと考えると、黒塗りのベンツ=ヤクザのように、映画か何かで印象づけられたものがそのまま信じ込まれている“テレビの見過ぎ”の代表例と言える。
※ジャガーなら違うのか。マセラティなら堅気なのか。という話しだ。
スイスの銀行にあるお金は、そのほとんどが黒いものだと勝手に思い込んできた結果だ。
80年代頃までは、本当にテレビの影響が強かった。

例えば、アメリカン・エキスプレス社のブラックカード、すなわち「センチュリオン」カードは、ミサイルも買えるとか。
ミサイルは売ってないし(売ったら捕まりませんか)、カードで買ったら足が付くでしょと思うが、世間はそうではないらしい(笑)。
「利用限度額がない」=決まった限度額を設けず、個別対応するというアメックスのスタンスを、勝手に勘違いしてしまって「いくらでも使える」と噂が広まってしまったようだ。「いくらでも」使っても、翌月の引き落とし時に支払えなければそれまでなんだから、個別のリミットはそれぞれでも「有限」である。

その他、ボルサリーノ帽をかぶって葉巻を吸ったらギャングだとか。
※映画アンタッチャブルではギャングではなく国税局(税金徴収)=公務員側がそのスタイルだったし、一瞬叩かれた麻生太郎氏も政治家だ。

実際そんなギャングを見たことありますかと聞くと、そこまで目立つ格好しないでしょうという話しである。
葉巻に火付けら2時間は座ってるってことだから、足が付いちゃマズイような人(追われの身)じゃなさそうだと思うが。
今じゃ吸い殻からDNA鑑定する時代だし、まさか火がついたままの葉巻を持って走って逃げないでしょと思う。
そう思えば、外で葉巻を吸うって、ゆっくりできる余裕のある人なんだから、むしろ問題はなさそうではないか。

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007を見て、スパイがみんなタキシードを着ていると思い込むのと似ている。

そもそも黒塗りのベンツよりピンクのロールス・ロイスの方がおっかなくないだろうか。
問答無用感が漂ってるし(笑)。

ルチアーノショーで、ところで「黒塗り」ってと盛り上がったことがある。
白は「白塗り」って言わないし。「塗り」も聞いたことない。

車を購入するとき、「売る時」のことを考えて白、黒、シルバーの定番色を選ぶ人も多いとディーラーから聞いたことがある。中古で動く色だから若干高くで売れるらしい。
買う時点で売る時のことを考えますか。
だとすれば、ピンクのロールスは売ることを前提としてないから強さの象徴だ(笑)。

※黒い車は埃が目立つので、毎日お手入れできるお金持ち向けだという説もはるか昔に聞いたことがある。

日本よりも遙かに治安の悪いモスクワで、車体全体にスワロフスキーをちりばめた高級オープンカーを見かけた話しをロシア人女性に聞いた。
ブティック街に乗り付けた女性は、オープントップのまま(屋根を閉めずに)買い物へと繰り出したと言う。
それについて印象を尋ねると、「手が付けられない程やっかいなイメージ」と言う(笑)。
何かあったら「めんどくさそう」だから、誰も近寄らないそうだ。
※わずか数分でナビが抜き取られる国なのに。

でも確かに黒塗りのベンツより難しいことになりそうな印象がある(笑)。

日本のある地域の人と話していたら「スーツ着てポケットチーフを挿すと“どうしたのホストみたいな格好して”と言われる」と聞いた(笑)。
“フォーマル”とは呼ばれずに“ホスト”と呼ばれる。
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私はホストに会ったことがないから、ホストのファッションを知らないし、黒塗りのベンツはMKタクシーのイメージが強く、ヤクザのイメージはない。
スイス銀行も同じで、スイス銀行という銀行はない。

そう、ある時銀座で、ハロートーキョーの黒塗りの車(確かクラウン)を見て、「何か物騒やなー。ヤクザばっかりやん」と言っている人とすれ違った。
いや、あれタクシーなんですけど。と思わず心の中でつぶやいた。
ハロートーキョーも黒塗りの大型車ばかりをタクシー車両として使用している。

その昔、黒塗りの車が並んでいた高級飲食店通りのことを、「あそこは警察も手を出せない」(駐車違反を取れない)と言っている人がいた。
しばらく眺めていると、黒塗りの車を運転する白い手袋の運転手さんが5cm車を前に出した

涙ぐましい努力のたまものじゃありませんか。

警察が手を出せないから取り締まりできないんじゃなく、運転手さんが頑張っていたのですよ。
タイヤにチョーク書かれそうになったら5cm前に出して。

警察が手を出せなかったら、そんなことしなくていいのであります。
警察が手を出すから運転手さんが頑張るのであります。
警察もちゃんと仕事をしているのです。

車の持ち主は、食事に出かけてお酒を飲むから運転手を雇う。毎回運転代行を呼ぶよりも安上がりだという合理的判断かもしれない。
運転手は雇われたのだから、雇用主の大切な車を守る。
よく考えてみたら、非常に当たり前の雇用関係なのだが、「黒塗り」は勝手にイメージが一人歩きしてしまう。

繁華街の車はみんな一斉に今日から「透明」塗り(?)に足並み揃えて変えてみるのはどうだろう。
潔白の象徴的な。
スケルトンカー。昔のiMacみたいな。
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果たして次はどんなが広がるのだろうか。
もはや塗りって言えなくなったし。

これだから最近のスケスケはみたいな感じだろうか。

ルチアーノショーでは、車内で待機するお抱え運転手さんにもお茶を出し、雑誌を出し、時には世間話でお食事中の「待ち時間」をもてなす。

/*
だってお客さんを送迎する役って極めて重要なのです。
要人になると前後に3台も4台も護衛(?)車が付くのだし。
社会的地位の高い人ほど、移動も大がかりなのであります。
*/

ホスピタリティとはそういうことではないかと思う。
見ているところを間違うと、ただの妄想や思い込み、先入観、固定観念でしか人をとらえなくなる。
空気を読む、行間を読む、オーラを読む、間合いを読むというのは、そういうことだと思う。

香りのように素直に大脳辺縁系(本能による判断)に伝われば良いのだが、情報・知識によって左右されやすい大脳新皮質を主に使う現代人は、多くの事柄を勘違いしているように思える。

ちなみにルチアーノショーはジュネーヴ・スイスと馴染みが深い。
スイス銀行ではなくて、赤十字と。

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーへ。

Photographer: Charlie

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by charlie-ls | 2014-06-05 01:15 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ

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