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現在の「ディナーコース」のカタチって、イタリアンでもフレンチでもなく、ロシアで完成したと言われている。

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ショーダンサーのナタリアにもらったロシアの書物。

Wikipediaによると、
それまで多くの料理を同時に食卓に並べていたのを改め、一品ずつ食卓に運ばせる方式を採用した。これは、寒冷なロシアで料理を冷まさず提供するため、フランス料理の料理人が工夫したものがフランスに逆輸入されたといわれ、ロシア式サービスと称される。
とある。

イタリアで原型が生まれ、フランスで育ち、ロシアで完成する。これはバレエなどと同じ流れで興味深い。
※途中でイギリス王室が絡むのもまたヨーロッパ文化の特徴である。

シャンパン「ヴーヴ・クリコ」もロシアでの発売を機に大成功し、ルイ・ロデレールの「クリスタル」もロシア皇帝の要望によって誕生したものだ。

しかし、今では当たり前となったこのスタイルを「ロシア式サービス」だと思って提供している人・食べている人は少なくとも私の周りでは聞いたことがない。
むしろイタリアンが一番とかフレンチが一番とかロシアが除外されて語られることが多いし、わざわざロシアに勉強に行く人も今のところ聞いたことがない。

f0337316_08431021.jpg当時の文化は、今以上にお国柄が出ている。
ロシアは金(ゴールド)もあるし、石油、ガスなど天然資源も豊富だ。いわゆる“資産家”である。
中世ヨーロッパが栄華を極めた際、ロマノフ王朝が金細工用の金取引で大儲けしただろうことは想像に難くない。
そのロシアの貴族(または皇帝)が、陸続きの向こう側で栄えたイタリアやフランスから、文化を「取り寄せる」ことはごく自然な流れであり、今の日本で言えば円高時の輸入業の活気にも似ている。

全てがある街“東京”で、ルチアーノショーが掲げる「貴族の晩餐」の意味するところも見えてくる。

「アミューズ」は来客を待たせないための一品だし、メインディッシュが冷めないよう一品づつ提供したフランス料理のロシア式サービスは、結局のところ「おもてなし」精神から生まれたものである。“シーザーサラダ”の誕生も同じことが言える。

当時の文化的に、庶民に対し一皿づつ用意するかと言うとそうではない。お金に糸目を付けない帝政ロシアの貴族達に提供するからこそ思い立ったのだろうと推測する。

スタイルを完成させるのは、消費者であるということが言える。

イタリア、フランスに対するロシアの関係は、マハラジャの「トランク」のオーダーに応えることで成長してきたルイ・ヴィトンとの関係を思わせる。

お金に糸目を付けない「買い手」に向けてカスタマイズ(特化)・オプティマイズ(最適化)していくうちに、研ぎ澄まされた完成型が見えてくる。

実際のところ、例えばソムリエはワインのプロであっても自分のお金でロマネコンティが飲めるかというとそうではなく、VIPにサービスする際“テイスティング”するその瞬間まで多くの場合は味さえ知らない。料理人が毎日キャビアとシャンパンを合わせて試行錯誤できるかと言えばこれもまた違う。
この場合のロシアは、すなわち欧州にとっての“研究・開発費”の出所(スポンサー)だったと見なしてもいいのではないか。と思う。

ルチアーノショーは創業当初ロシア料理店かと思われた程にロシアは重要な位置づけである。
そんな本日のBGMはここぞとばかりに "From Russia With Love" by 007 James Bond Soundtrack

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ジェームズ・ボンドが愛飲するボランジェ“ラ・グランダネ”。

日本のように太平洋に浮かぶ島国ではなく、ヨーロッパ大陸は字のごとく陸続きなのです。

当時は大した境目もなかっただろうから、国境付近に住んでいる人達なんてお互いの文化が入り交じっていたに違いない。
スイスなんて典型例だ。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4言語を公用語としている。

この100年ロシアは政治的に別路線だが、ヨーロッパの国々は通貨をユーロで統一し、ビザもシェンゲンビザに統一した。彼らは乗り入れる際にビザはいらない。
「陸続き」とはそういうことで、決して特定の一国だけで文化や習慣が成り立っているわけでもなければ、お互いに多いに影響を受け合って現在に至っていることを忘れてはならない。

数年前、フレンチの有名シェフ(もはや巨匠か)ジョエル・ロブション氏と直接話しをする機会に恵まれた。
日本では恵比寿の本店が有名だが、後に六本木にカウンター形式の店舗を出店したことで注目を集めた。

フレンチをカウンターで食べるの

多くの人はそう思ったに違いないし、納得いかない料理人もいたのではないだろうか。
バーカウンターや天板焼き、お寿司屋さんのイメージが強いから。

これについてロブション氏に尋ねてみたところ、スペインでカウンター越しに提供するタパスに触れて、自分も是非やってみたいと思ったそうだ。

今度はスペインですよ。
世界最高のレストランと言われた「エル・ブジ」もスペインだし、こうして世界は刺激を与えあい、影響を受け、切磋琢磨している。

日本人が考えるほどイタリア!フランス!イギリス!ロシア!と線が引かれているわけではないように思える。
隣国とは多少のイザコザやプライド、見栄の張り合いもあるだろうが、それは日本にとっての韓国・朝鮮・中国との関係と似ている。
日本の公文書にも「漢字」(氏名欄など)のことを「Chinese character」と表記してあるし、多くの文化を取り入れ影響を受けていることは紛れもない事実であり、それを好き嫌いで否定しても意味をなさない

数年前、英国オックスフォード大学の女学生とディナーを楽しんだ際、「イギリスはフランスから多くの文化的影響を受けています」と話していたことが印象的だ。
コメディなんかではイギリスとフランスは罵りあっているシーンがよくあるが、何気にお互いを認め合っている。
フレンチブルドッグ”は、英国の「象徴」がフランスにもたらした人気種だし、映画カジノ・ロワイヤルで英国人俳優ボンドとフランス人女優ヴェスパーの組み合わせが歴代人気ナンバーワンであることも興味深い。

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ちょうどこの記事を仕上げる際、日本がワールドカップで敗退したというニュースを読んだ。
“「日本らしさ」も大敗の現実”という見出しを見かけ、ふと日本らしさとは何だろうと考えた。
日本らしさを出すことが良いか悪いかの前に、そもそも「日本らしさ」を見誤っていなければ良いのだが。
「自分たちの良さ」って結構勘違いしていたりする。時としてナルシズムが入ることさえある。
顔写真を撮って、自分で選ぶ写真と他人が選ぶ写真は多くの場合異なる。それと似ている。

これだけ海外でプレーしている選手が多い時代に、共通の「日本らしさ」を見いだすのは難しくないか。
/*
例えば私は生粋の日本人だが、「白いご飯」はこの先一生食べられないと決まっても何の影響もないタイプだ。
パリ行きのJAL便で乗客は日本人が多く、機内食は8割くらいがフレンチを選んでいる様子だった。一方帰りの機内食では、私を除く全て(お手洗いに立って見渡せる範囲)が和食を選んでいた。私は変わらずフレンチだった。
*/

日本人らしさというよりも、「日本人とはこうあるべき」という固定観念がこの時代にそぐわないこともある。
30年前とは体型も異なれば、インターネットもメールも携帯電話も普及した。
大地震も何度も起きたし、ソ連は崩壊し、9.11テロもリーマンショックも起きた。

もう一度“らしさ”について考えてもいい頃合いではなかろうか。

本来、「成長し続けることが日本人らしさ」と言われるのが一番良いはずではないか。
だとすれば「らしさ」は“前回”とは別物である可能性が高く、すなわち常に「未知との遭遇」である可能性が高い。

そう考えれば、(本題に戻るが)他国の文化を認め(敬意を払い)、良いものを積極的に取り入れ成長していくことは国益でさえあると思う。

それがルチアーノショーの掲げる「東京料理」の姿ではないかと思うチャーリーであります。

お食事は、“明日はもっと速く走る”ルチアーノショーへ。

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by charlie-ls | 2014-06-26 03:27 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)
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見てないと思って書いたら震度4くらいのただの“横揺れ”(踊ろう。朝まで2人で。)に対し笑いのマークだけ送ってきた女性がいる。

今度踊ったらギャフン(貴方と踊ると船酔いするわ)くらい言わせてみたい。
本当に「ギャフン」と言われるとせっかくのムードも台無しだし。

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ローゼンタールとバカラのお皿にスワロフスキーのカクテルグラス。

日本人男性は踊りが苦手な人が多い。
私もそうだ。
「踊る」という言葉を使うのもおこがましいまでに下手だし。
未だにチークダンスは踊っているのか酔っ払ってフラフラしているのかわからない。
それでも気にしない(ことにした)。

君に酔ってしまったよ」なんて言いながらブランデーグラスを手にすれば、“半笑い”くらいはとれるし。
おかげで女性の笑顔と半笑いの違いを見分ける選手権世界2位くらいのレベルにまで成長した。
「小さい頃お父さんと乗った釣り船を思い出すわ」とか言われると何かノスタルジックでいろんな想いが込み上げてくる。

そんな本日のBGMは "Shall We Dance?" by Stacey Kent

この曲は通常の9F BGMでも噂の新しい火曜日のJazzプレイリストにも含まれている。

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バカラのお皿は「アラベスク」シリーズ。テーブルクロスは「ガルニエ・ティエボー」製。

この10年ほどで、踊ることとディナーについて文化の違いを学んだ。
外国人の女性と日本人女性とではこの2つに対する感覚が違う。
日本人女性は男性とくっついて踊る(チークダンスのような)ことは親しくなってからだが、食事ならいいよという人が多い。
一方で外国人の女性は踊ることはありでも、ディナーは別物だ。2人きりのディナーは何か神聖なものであり、踊ったからと言ってディナーもOKしてくれるわけではない。

踊るということ自体がしっかり娯楽としての文化に根付いており、ディナーはおごれば食べるってものでもない「かしこまった」ものであることが見てとれる。

わかりにくく言うと、踊った後に「ところでお名前は?」ということはあっても、ディナーの後に「ところでアンタ誰?」はないということ(か)。

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ローゼンタールのお皿は「魔笛」シリーズ。木陰(?)のチェリー。

私と“揺れている”最中に女性が「地震かと思った、酔ったかな」と微笑んでくれて少しばかりドキッとしつつ、家に帰って地震速報を見てみると本当に地震(千葉県沖)だったことがある(笑)。よって本当に踊りか揺れかわからないということが証明された。文明の利器は多くのことを浮き彫りにしてくれる。

それでもいいのです。

ピッタリとくっついて寄り添っている瞬間が2人にとって心地よければ、踊っていようと揺れていようと関係ない(キッパリ)。

ルチアーノショーは食事も含め「形式」にとらわれる必要のないことを教えてくれた(ココで引き合いに出しますか)。
“リバース”という、メインディッシュから前菜に向けて“反対向き”にディナーコースを進める研究が始まったかと思えば1年もしないうちに、「最初にタンパク質(肉類)を食べた方が健康に良い」というニュースが流れ驚いたことは記憶に新しい。特に血糖値を気にする人達に効果的だ。

「メインディッシュから」なんてちょっと前までは「形式」的に言えば“邪道”どころの騒ぎではなかったが、科学は多くのことを「考え直す」“提案”をしてくれる。

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これだけ雨の日のテラスで撮影。

ルチアーノショーは、踊っている最中にささくれ立った指先が女性のワンピースにひっかかったら、「ひっかかったままにする」というミスター・ビーンを彷彿とさせる技術も教えてくれたし(笑)、必要に応じてスタッフが助けてくれることも確認した(笑)。
「後はこちらに任せておいてください」的なホスピタリティが心地よい。

サービスとはそれでいいんじゃないか。

だから私は揺れたい時に揺れるし、女性に「揺れない?」と誘っても通じない可能性もあるため、便宜上踊る」という言葉を使ってみせている立場逆転)。

言い換えると、そんな私を成立させてくれる程のサービスであるということでもある()。

ところで(突然)、私は意外にも鼻が利く。
前回着たスーツのニオイを嗅げば、誰と揺れたか鮮明に思い出せる。
裏を返せば鼻の良い女性に「また他の女性と踊ったのね」と指摘される可能性を秘めているということだ。
いや、踊ってない。揺れただけだ。と言い張るために、踊る・揺れるを使い分けているだけだということは内緒にしておきたい。

そんな本日の(女性に評判の良い)香りはプチグレン。
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最近お気に入りのプチグレン。

同じ「ビターオレンジ」(Citrus aurantium)から3種のエッセンシャルオイルが採れる。プチグレンは葉・枝から、ネロリは花から、オレンジビターは果皮から。
その中でもプチグレンはタンニンのような渋みを持ち、柑橘系ながらもダンディズムを表現できる香りだ。

抗炎症、抗菌、抗ウイルス、抗真菌など私自身消えてなくなりそうな効果に加え、血圧降下筋肉弛緩の効能もあると言われ、リラックス効果をもたらす。なおかつ副交感神経を活性化させるそうだから、しばしば女性から「貴方と踊っていると眠くなるわ」と言われるのはこの効能かと思われる(笑)。1/fゆらぎ的な(笑)。

香り選びは効能も意識したい。
ワイン選びと共に、ジェントルマンの嗜みの1つとして。

※香りのことは瀬戸秘書室長にお問い合わせください(笑)。

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーへ。

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by charlie-ls | 2014-06-19 23:25 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)

踊ろう。朝まで2人で。

ルチアーノショー寄稿ブログ

私のブログの始まりは“シャンソン・マティーニ”だった。
雨の降る窓辺を眺めながら、今日はそのシャンソン・マティーニとのマリアージュを。

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クープグラスにシャンソン・マティーニを注ぎ、葉巻に火をともす。
後は音楽を流すだけ。

本日のBGMは "Only Myself To Blame" by Scott Walker (007 The World Is Not Enough Soundtrack)

この曲が流れると目が合う女性が何人かいる。
1人じゃないところが罪なのか不器用なのか。
女性ごとに曲を変えられる程“踊れる”身体じゃない。

季節が変わる度にヨレヨレになっていく自分に、もうこの曲1本で行こうよと潔さを求めた結果か。
小細工はやめて、こんな私だけど“よろしかったでしょうか”的な開き直りで。

だから“全部私が悪い”(Only Myself To Blame)
誰とでもこの曲だけど許してねと、“予めご了承ください”的な前置きを兼ねて。

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手を握り、震度4くらいのただの“横揺れ”「踊っている」ことにする。
腰に回した手には渾身の色気を込めるも、ささくれだった指先がシルクのワンピースにひっかかり、あがけばあがく程深みにはまる。
無駄な抵抗はやめてそのままにするということを人生は教えてくれた。

1つ2つくらいだろうか、言葉を交わす。

ねぇ、お願い、歌って。素敵な声。
ん?いいよ。おふくろさん?(森 進一)


みたいな。

女性の顔がわずかに半笑いに変わる。
それでもかろうじて“母性”で受け入れようとまるで意を決したかのような姿に愛の偉大さしか感じない。

フロアに鳴り響くサックスの音色(2分10秒〜)に酔いしれる頃には2人の頬も近づき、“呼吸”だけで会話する
その時きゃしゃな指先はにわかに紅色。

心なしか汗ばんだか、手のひらが吸盤のように張り付き、異音を発しないかと緊張がピークに達する。

食べてもいいかい?
待って、ここではだめ。

耳元で囁けば、かすれた声で返してくる。

ここで食べなくてどこで食べるんだい?

チョコレートを指さす。

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呆れかえる女性の首筋の張り具合に若干の怒りを感じ取りながらも、ふと笑みがこぼれる。
危険を察知したのか、気の利いたスタッフが知らぬ間に「Love」と書いてくれていた。

間一髪。
次に会っても「挨拶」くらいは許可してもらえる関係を保てた。

ルチアーノショーは、いつだって冴えない私を守ってくれる。
そう信じている(笑)。

そんな愛に満ちあふれたサービスを受けたくなったら赤坂ルチアーノショーへ。

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by charlie-ls | 2014-06-12 22:34 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)
ルチアーノショー寄稿ブログ

スイス銀行」に口座を持つことがステータスだった時代がある。
80年代頃までの映画では、“悪党”は必ず「スイス銀行」に資金移動していた。
資金洗浄(マネー・ローンダリング)が主な目的で、なおかつ所得・財産隠しの場として活用された。それも“黒い”お金の。

名優スティーブ・マックイーンの代表作「華麗なる賭け」(The Thomas Crown Affair)でも同じくスイス銀行の口座が登場する。
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※後に007 James Bondで有名なピアース・ブロスナンもトーマス・クラウン役を演じている。

映画カジノ・ロワイヤルにおいても、カジノで大儲けしたジェームズ・ボンドのお金はスイス銀行の口座に振り込まれるというシーンがある。

しかし、本当にそういうシーンをリアルに見聞きしたことがあるかと言えば、ナイ
というのが今回の視点。

日本と同じ永世中立国を名乗り、戦争・侵略とは一線を引き、そして「絶対秘密保持」を貫くことで世界中の預金を欲しいままにした。と言われている。それがいわゆる「スイス銀行」だ。

が、厳密には「スイス銀行」という銀行は存在せず、UBSやクレディスイスのようなスイス資本の銀行のことを指す。
※外国の人達が、みずほ銀行や三井住友銀行などを「日本銀行」と呼べばソレと同じである。

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スイスフラン(CHF)。

日本で言う「黒塗りのベンツ」のような“代名詞”と同じく、いつのまにか世代を超えて定着した名称である。
※田舎に行くとベンツの代わりにスモークの“クラウン”がその役を担っている(笑)。
黒塗りのベンツ=ヤクザだとすれば、MKタクシーはヤクザにならないか(笑)。車は全部「黒」だし、ベンツ車両も数多く保有している。

2000年初頭あたりまでだろうか、個人金融資産が1億円を超えてくる頃、UBS銀行などから「プライベートバンク」のお誘い(手紙)が来るのが定番だった。その“インビテーション”をもって、富豪(資産家)の仲間入りを自覚するのである。
これがいわゆる「スイス銀行」への入り口だ。
インビテーションの発行は、税金の公示(今ではなくなったが)や不動産登記情報などから推定資産が算出される。何気に手堅い情報源である。

米資本のシティバンク、フランス資本のBNPパリバ、そしてルチアーノショーが入居するビル“The Hexagon”の1,2Fに君臨していたHSBC銀行もプライベートバンキングを展開していた。
しかし、いつしか日本では全てのプライベートバンクは撤退し、HSBC銀行においてはその事業さえも日本から出ていってしまった。

秘密を守り抜くことで顧客の信頼を勝ち得てきたスイスの銀行達は、「悪党のお金を匿っている」と世界中から批判にさらされていた。
そこで渋々情報を開示するようになったスイスの銀行は、一気に資金が国外へ流出するだろうと予想されていたが、実際そうはならなかった。
ある記事では「意外に綺麗なお金だったようだ」と表現されていたことが印象深い。

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意外」は何を前提に「意外」だったのかと考えると、黒塗りのベンツ=ヤクザのように、映画か何かで印象づけられたものがそのまま信じ込まれている“テレビの見過ぎ”の代表例と言える。
※ジャガーなら違うのか。マセラティなら堅気なのか。という話しだ。
スイスの銀行にあるお金は、そのほとんどが黒いものだと勝手に思い込んできた結果だ。
80年代頃までは、本当にテレビの影響が強かった。

例えば、アメリカン・エキスプレス社のブラックカード、すなわち「センチュリオン」カードは、ミサイルも買えるとか。
ミサイルは売ってないし(売ったら捕まりませんか)、カードで買ったら足が付くでしょと思うが、世間はそうではないらしい(笑)。
「利用限度額がない」=決まった限度額を設けず、個別対応するというアメックスのスタンスを、勝手に勘違いしてしまって「いくらでも使える」と噂が広まってしまったようだ。「いくらでも」使っても、翌月の引き落とし時に支払えなければそれまでなんだから、個別のリミットはそれぞれでも「有限」である。

その他、ボルサリーノ帽をかぶって葉巻を吸ったらギャングだとか。
※映画アンタッチャブルではギャングではなく国税局(税金徴収)=公務員側がそのスタイルだったし、一瞬叩かれた麻生太郎氏も政治家だ。

実際そんなギャングを見たことありますかと聞くと、そこまで目立つ格好しないでしょうという話しである。
葉巻に火付けら2時間は座ってるってことだから、足が付いちゃマズイような人(追われの身)じゃなさそうだと思うが。
今じゃ吸い殻からDNA鑑定する時代だし、まさか火がついたままの葉巻を持って走って逃げないでしょと思う。
そう思えば、外で葉巻を吸うって、ゆっくりできる余裕のある人なんだから、むしろ問題はなさそうではないか。

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007を見て、スパイがみんなタキシードを着ていると思い込むのと似ている。

そもそも黒塗りのベンツよりピンクのロールス・ロイスの方がおっかなくないだろうか。
問答無用感が漂ってるし(笑)。

ルチアーノショーで、ところで「黒塗り」ってと盛り上がったことがある。
白は「白塗り」って言わないし。「塗り」も聞いたことない。

車を購入するとき、「売る時」のことを考えて白、黒、シルバーの定番色を選ぶ人も多いとディーラーから聞いたことがある。中古で動く色だから若干高くで売れるらしい。
買う時点で売る時のことを考えますか。
だとすれば、ピンクのロールスは売ることを前提としてないから強さの象徴だ(笑)。

※黒い車は埃が目立つので、毎日お手入れできるお金持ち向けだという説もはるか昔に聞いたことがある。

日本よりも遙かに治安の悪いモスクワで、車体全体にスワロフスキーをちりばめた高級オープンカーを見かけた話しをロシア人女性に聞いた。
ブティック街に乗り付けた女性は、オープントップのまま(屋根を閉めずに)買い物へと繰り出したと言う。
それについて印象を尋ねると、「手が付けられない程やっかいなイメージ」と言う(笑)。
何かあったら「めんどくさそう」だから、誰も近寄らないそうだ。
※わずか数分でナビが抜き取られる国なのに。

でも確かに黒塗りのベンツより難しいことになりそうな印象がある(笑)。

日本のある地域の人と話していたら「スーツ着てポケットチーフを挿すと“どうしたのホストみたいな格好して”と言われる」と聞いた(笑)。
“フォーマル”とは呼ばれずに“ホスト”と呼ばれる。
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私はホストに会ったことがないから、ホストのファッションを知らないし、黒塗りのベンツはMKタクシーのイメージが強く、ヤクザのイメージはない。
スイス銀行も同じで、スイス銀行という銀行はない。

そう、ある時銀座で、ハロートーキョーの黒塗りの車(確かクラウン)を見て、「何か物騒やなー。ヤクザばっかりやん」と言っている人とすれ違った。
いや、あれタクシーなんですけど。と思わず心の中でつぶやいた。
ハロートーキョーも黒塗りの大型車ばかりをタクシー車両として使用している。

その昔、黒塗りの車が並んでいた高級飲食店通りのことを、「あそこは警察も手を出せない」(駐車違反を取れない)と言っている人がいた。
しばらく眺めていると、黒塗りの車を運転する白い手袋の運転手さんが5cm車を前に出した

涙ぐましい努力のたまものじゃありませんか。

警察が手を出せないから取り締まりできないんじゃなく、運転手さんが頑張っていたのですよ。
タイヤにチョーク書かれそうになったら5cm前に出して。

警察が手を出せなかったら、そんなことしなくていいのであります。
警察が手を出すから運転手さんが頑張るのであります。
警察もちゃんと仕事をしているのです。

車の持ち主は、食事に出かけてお酒を飲むから運転手を雇う。毎回運転代行を呼ぶよりも安上がりだという合理的判断かもしれない。
運転手は雇われたのだから、雇用主の大切な車を守る。
よく考えてみたら、非常に当たり前の雇用関係なのだが、「黒塗り」は勝手にイメージが一人歩きしてしまう。

繁華街の車はみんな一斉に今日から「透明」塗り(?)に足並み揃えて変えてみるのはどうだろう。
潔白の象徴的な。
スケルトンカー。昔のiMacみたいな。
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果たして次はどんなが広がるのだろうか。
もはや塗りって言えなくなったし。

これだから最近のスケスケはみたいな感じだろうか。

ルチアーノショーでは、車内で待機するお抱え運転手さんにもお茶を出し、雑誌を出し、時には世間話でお食事中の「待ち時間」をもてなす。

/*
だってお客さんを送迎する役って極めて重要なのです。
要人になると前後に3台も4台も護衛(?)車が付くのだし。
社会的地位の高い人ほど、移動も大がかりなのであります。
*/

ホスピタリティとはそういうことではないかと思う。
見ているところを間違うと、ただの妄想や思い込み、先入観、固定観念でしか人をとらえなくなる。
空気を読む、行間を読む、オーラを読む、間合いを読むというのは、そういうことだと思う。

香りのように素直に大脳辺縁系(本能による判断)に伝われば良いのだが、情報・知識によって左右されやすい大脳新皮質を主に使う現代人は、多くの事柄を勘違いしているように思える。

ちなみにルチアーノショーはジュネーヴ・スイスと馴染みが深い。
スイス銀行ではなくて、赤十字と。

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーへ。

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by charlie-ls | 2014-06-05 01:15 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)

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