<   2015年 02月 ( 2 )   > この月の画像一覧

ルチアーノショー寄稿ブログ

赤坂ルチアーノショーで使用されていたパソコンのデータ消去を担当した。
マイク・タケダや文人米澤がブログを投稿しているオフィスワーク用Q3(コードネーム)iMacを除いて。

赤坂ルチアーノショーは飲食店とは思えない程ハイテクな設備を構えていた。
従業員用のデスクトップパソコンが3台にノートパソコン1台、iPad3台にIPod Touch2台(音響用ではなく予約メール確認用)。それに加えて24時間稼働のサーバー1台にRAIDストレージ1台。
独自に開発されたコードネーム“マタハリ”と呼ばれる速報メール通知システムは、WEB予約などを瞬時に全ての端末に伝え、アナログな業種にありがちな「3時間前に送ったメールもまだ見ていない」ということはあり得ない店舗だった。

/*
オフィスワークの人達にとって、数分に1回はメールの確認をしているというのはごく普通でも、飲食店などではまだまだ当日WEB予約などしようものなら、数時間前のものであっても「まだ見てない」なんてことがよくある。基本電話(とファックス)という業界だ。
*/


業務に使われるパソコンには、住所、氏名、電話番号、生年月日などの通常の顧客データに加え、飲食店ならばアレルギー情報やお祝いの内容、記念写真などが記録される。
ルチアーノショーの場合はお好みのBGMなどもだ。
高級レストランという属性から見ると、顔(記念)写真付きの個人情報というのは世の中の業者が最もほしがる情報なので、厳重に管理されなければならない。

f0337316_14545826.jpg
これらのデータが入ったパソコンをそのまま処分したり売却したり、譲渡したりというのはよろしくないことは誰でも知っている。
個人情報保護法もあることだし、よろしくないというレベルではなく、そのまま流出すれば是正勧告に次ぎこの命令に違反すると、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されられる。
そこで使わなくなったパソコンのハードディスクなど記録媒体のデータを消去するわけだが、一般的にはOS付属の機能を使って「フォーマット」(初期化、イニシャライズ)を行う。
この初期化は500GB〜1TBのハードディスクでもわずか10秒たらずで完了し、これらをクイック(簡易)フォーマットと呼ぶ。
すぐにまた再インストールして自分で使う分には手軽で便利だが、実はこのクイックフォーマットではデータは消えていない。

クイックフォーマットは別名論理フォーマット(HighLevel-Format)とも呼ばれ、ハードディスク上にある論理データを書き換えているだけで、物理(磁気)データはそのまま残っている。

しかし一般的にはこの手法でOSから何から綺麗さっぱり消えてなくなっているのを見て「これで全部消えた」と思ってしまう。
言うならば暗闇の中にある物体を黒い布で覆い隠しただけの状態だ。
デジタルデータは目に見えないので、これからは(既に現在も)理論上の感覚値(知覚)も要される。

この状態(論理フォーマット)で明け渡されたパソコン(ハードディスク)に対し、市販のデータ復旧ソフトを使用し復元を試みると、9割以上のデータがそっくりそのまま元に戻される。
よってメールから写真から、以前の所有者のデータが覗き放題というわけだ。

レントゲンでは写らなかったものが、MRIやPET/CTスキャンで発見されるイメージに近い。
f0337316_15215006.jpg
私が以前から使っているデータ復旧ソフトは、米FBICIAで公式採用されているもので、証拠隠滅などを目的とし意図的に消去されたデータなどを復元するために使用されている。
市販で1万円ほどで簡単に手に入り、一定レベルの知識と手順さえ知っていれば、誰にでも同じことができると思って良い。
※消去されたデータに限らず、故障時のデータ復旧にも使える。私は昨年03月、ハードディスクの経年劣化でパソコンが止まってしまった時にもお世話になった。

そこで更に、こういった市販の専門ソフトを使ってもデータを復元できないようにするためには、物理フォーマット(LowLevel-Format)を行う。
物理フォーマットでは500GB〜1TBのハードディスクで大凡4時間かかる。
これはハードディスクの全てのセクタ(データ記録の最少単位)に0(ゼロ)または1、或いはランダムに書き込み、元の磁気データを上書きしてしまう方法だ。
0(ゼロ)を1回書き込む方法をゼロフィル(ゼロ埋め)フォーマットと言う。

アメリカ国防総省が定めるDoD標準(3回または7回)、アメリカ国家安全保障局が定めるNSA標準(3回)などの他に、米海軍基準(3回)、米陸軍基準(3回) 、英国政府準拠方式(1 回)などそれぞれの機関の基準が存在する。
※()内の回数は、0(ゼロ)または1(イチ)、或いはランダムデータを書き込む回数。

f0337316_22540576.jpg

それでも「残留磁気探索装置」を使い、記録媒体面の残留磁気の痕跡から元のデータが読み取れると警戒された時期もあったが、2006年にアメリカ国立標準技術研究所(NIST)が発表した検証結果では、15GB以上のハードディスクにおいては、集積度(物理的密度)が高すぎ、残留磁気探索でデータを復元することはできないと結論付けており、米NSAも同様に複数回書き込むことで何ら優位性は得られず、通常は1回の書き込みで十分だと公式声明を出している。

これらは常に最新の知識が必要だ。なぜならその時点の常識を覆す探査機器が開発される可能性があるから。
現代の暗号が最大素数を元に作られているため、常に数学会の発表の場には政府職員も参加し、常時ヒアリングを行っていること似ている。いつ何が発見されるかわからない時代だ。

/*
集積度
CDからDVD、Blu-rayになっても円盤(ディスク)の12cmという物理サイズは変わらず、記録容量は36倍以上にもなった。
記録最小単位(セクタ)がより小さくなり(集積度が増し)、780nm 近赤外線レーザーから405nm(青紫)へと読み取り分解能が増したから実現できた。
ハードディスクも同じで2000年頃には36GBもあれば大容量と言われていたものが、現在では単位があがり1TB(1,000GB)でも普通だ。
*/


ルチアーノショーのパソコンのハードディスクも全て1TBを越えるものだったので、よって結論は、ゼロフィルすなわち 0(ゼロ)一回の書き込みを行う物理フォーマットで十分。
そこで英国とゆかりのある(?)ルチアーノショーとしては、ジェームズ・ボンド的に英国 HMG Infosec Standard 5, Baseline Standard 方式の物理フォーマットに更に暗号化オプションを付けて初期化を実施した。
この方法は、私が持っている前述のデータ復元ソフトでは何も(全く)出てこないことを確認しているし、このブログでお馴染みの情報分析官エルシーを持ってしてもフォルダ1つ復元できないことを確認している。何かの間違いで復元されるようなことがあったとしてもデータ自体が暗号化されており解読することはできない。

f0337316_14594702.jpg

こちらは私の私物だが物理フォーマット暗号化オプションに加え物理破壊後破棄されたもの。

パソコンを廃棄処分する場合は、更に物理的破壊(穴を空ける、粉々にする)という手順を踏むことが多い。
※携帯電話を機種変更する際、基板に穴を空けるシーンを見たことがある人もいるかと思う。「再利用しませんよ」という合図でもある。
しかしハードディスクなどの記録媒体は、破壊するからデータ消去しなくても安全というわけではない。
前述の「残留磁気探索装置」を用い、穴の空いてないハードディスクの破片から、記録の断片を読み取ることも実際に行われるため、重要な機密データなどを抱える企業は、物理フォーマットを行った上で更に物理的破壊を行った方が良い。

世の中的には飲食店でそこまでしなくてもと考えられているが、飲食店にはそこまでの知識がないだけで、できるのであれば可能な限り施した方が良い。
例えば「ハッキング」と言われるものは決して「ハッとして!Good」(日/1980年)の略ではなく、プログラムのバグや穴をついてコンピューターサイエンス的に入り込むものよりも、ソーシャル・エンジニアリングと言って、人為的ミス(ついうっかり喋ったり忘れ物とか)などから入り込むことが多い。
そう、パスワード自体を知られてしまってはパスワードをかけてるから安心という考え方は成立しないということ。

自分は失敗しなくても誰かが失敗すればその問題が全体に広がる。これがネットワーク(組織・系統)だ。
だからこそ、本当は管理職の責任というのは、忘れ物やひったくりなどに遭ってはいけないという社会的な責任の認識も必要。一見被害者でも二次的な被害者から見れば加害者でもある。

/*
お金持ちや社会的地位の高い人達は、交通手段が次第に専用車・専用機になっていくのも、自分自身が情報(財産)の塊(ひいては狙われる可能性のある価値あるもの)であるという見地から、合理的正当性が見いだせる。
*/


f0337316_01013208.jpg
よって厳重管理されてきた顧客データも、最後の最後でパソコンを売却してそのまま情報が漏洩したなどはあってはならない。

さすがにシュレッダくらいは使うのは当たり前になり、CDやDVDなどをシュレッドする機能のついたものも普通になった。
が、まだまだパソコンのデータはゴミ箱に入れてゴミ箱を空にすればデータが消えると思っている人も多く、ましてや初期化までしたのだからと安心しているケースも多い。

近年のパソコンはハードディスクドライブ(HDD)に代わってSSDを搭載している機種も増えた。
SSDは磁気記録ではないため、HDDのデータ消去とは異なる手法を用いる(また別の知識と手順が必要)。

サービス業で言うホスピタリティとは、目に見えたサービスだけでなく、こうした個人情報・趣味嗜好などを安心して預けられることも重要だ。特に富裕層を対象としたサービスにおいてはなおさら。

f0337316_15363693.jpg
美しい女性は記憶から消し去ることは難しい。

そんな本日のBGMは Smoke Without Fire by ダフィー
マリガンサマ主演の映画 『17歳の肖像』(英/2009年)から。
歌詞はブログと無関係だがタイトルに惹かれて。

“火の無い所に煙は立たぬ”すなわち"There is no smoke without fire.”

火事を防ぐには確実な消火を。
情報漏洩を防ぐには確実な消去を。

胃もたれを防ぐには確実な消化を。

ハードディスクを初期化したくなったらルチアーノショーのブログへ(笑)。

Photographer&Engineer: Charlie

Homepage
Facebook
Twitter
Instagram
ルチアーノショーで働くスタッフのブログ
専属カメラマン☆チャーリーの寄稿ブログ(過去ログ)
専属カメラマン★チャーリーの部屋(過去ログ)

ルチアーノショー
TEL : 03-3531-4851

by charlie-ls | 2015-02-12 00:57 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ
ルチアーノショー寄稿ブログ

日このブログでご紹介したアメリカのドラマNUMBERS 天才数学者の事件ファイル(米2005-2010)を見ていたら、ロンドン大学の研究者2名が「最も成功率の高いデート」のプレゼントは何かと分析したところ(男性→女性)、科学的根拠をもって「高級レストランでの食事」という答えを導き出したと“チャーリー”(主人公)が語っていた。
資産価値(例えばジュエリーや不動産など)のないプレゼントが成果を上げると言う。

/*
ロンドン大学(UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)は、2014年世界大学ランキング20位で、21位の東大の真上に位置している。
*/

それ以上細かい解説はなかったが私なりに読み解くと、高級ブランドやジュエリー、車、家、土地、著作権など、資産(利益を生む可能性のある権利を含む)価値があり、なおかつ高価なものをプレゼントされると、女性は受取証までは発行しないまでも、人の月給或いは年収、人生の総所得相当以上の換金性のある物品を受け取ったという“形”ができてしまう。それは「結婚」という署名による“契約”とは法的性質が異なるものの、後から「●●あげたでしょ」(どういうことかわかるよね的な)と言われると、ものによっては「結婚」以上に重い意味合いを持つ場合もあるし、時として受け取ってしまったことを後悔することにもなりかねない。

えば株券などだ。
株券をもらえばそれ相当の所得税がかかるし、その会社の発行株式数に対する比率次第では議決権さえも得ることになる。
※「プレゼントもらっただけなのに、税金かかるの?」というは後の祭りだ。
それを知らずに「今度彼の会社が●●と大きな契約をするんだって」などと家族に話し、家族が当該法人の株式を事前に取得し利益をあげるとインサイダー取引にさえなりうる。ただの紙切れのプレゼントだと思っていたら、いわゆるお縄になる場合もあるということだ。
よって得体の知れない、扱い方を知らない「価値」をもつものは、受け取る際に十分な検討が必要だ。

昔から、宝くじの当選金などが「身を滅ぼす」と考えられてきたのはこういった由縁ではなからろうか。

/*
株券も金やダイヤモンドなども、ある一定(評価)額を超えて所有すると、毎年税務署に不動産などと共に保有資産として報告しなければならないので、実は持つだけでも面倒くさい。
*/

産価値とは金相場などと同じく、国が世の中の売買状況を見て評価額を決定する(それが固定資産税や償却資産税として算出される)ため、本人の好み(プレゼントを気に入ったかどうか)は関係ない。
100万円分の「切手」を受け取れば、それは現金100万円を受け取ったことと同義だし、家賃100万円の賃貸マンションを与えられれば、税務署からは年間1,200万円相当の間接的収入があったと見なされ課税される。

だからもし「家を買ってらった」としても喜んだのはつかの間、贈与税(または物件評価額にかかる所得税)に加え翌年から固定資産税の請求書が届くことも忘れてはならない。
財産・資産価値をもつ換金性のあるものは「交換」され形を変えただけであるという点が重要だ。

f0337316_21143922.jpg
方で高級レストランでの食事とは、僅か数時間でサラリーマンの平均月給の半分またはそれを上回ることもあり、それでいて「形」を残さない。デートの後喧嘩したからといって、「一昨日食べた牛フィレのステーキ返してくれ」と彼女に迫ったりはしないだろう(多分)。

ここから読み取れるのは、高級ディナーは資産価値にはならなくてもそれだけ「2人の時間を大切にしている」という満足(幸福)感につながりやすい(可能性がある)ということだ。
女性にとって法的重さが軽減されるというところか(笑)。平たくいうと「権利」という“拘束”がない。
換金性のない食事(食物、飲み物)は本当の意味で消えてなくなる。
残るのは、血となり肉となり想い出だ。
その一見儚いロマンにお金を使い、2人の時間に彩りを与えてくれる男性に女性は魅力を感じやすいという分析結果であろうというのが私の見解。それは“花束”という贈り物が既に実証しているかもしれない。

金を使うということは、そのお金を稼ぐために要した時間と労力を捧げるということなのだから。
換金ではなく捧げるというプレゼント。

もちろん「こんな高価な食事に何万円も払うくらいならうちの家賃代わりに払ってよ」という女性もいるかもしれない(笑)。
但しそれは女性が「ただ受け取るだけ」のものでしかないので、男性が払いたくなるかどうか。飽くまで“デート”とは2人のものではなかろうかと考えると少し路線が違う。

/*
その昔、男性からのプレゼントの多いある職種の女性は、男性達に同じものをプレゼントさせて、1つを残し全部売って換金するという話しを聞いたことがある。そうすればいつも「あなたのプレゼント大切にしてるわ」と言えるから。これを聞くと換金性のないプレゼントをしたい(笑)。
*/


は昔から「消えてなくなるもの」をプレゼントする派。
まさしくディナーとか。
世間は「形に残るもの」をプレゼントする派の方が多いように思えるが、形に残った方がいいのは相手がそのプレゼントを気に入ってくれた時に限る(笑)。
自分は心を込めて選んでも、それを相手が気に入るかどうかは別なのだから。
だから私は「一緒に楽しい時間を過ごしましょう」というプレゼントが多い。
もちろん相手が私と過ごしたくなさそうなら(笑)、レストランのディナーチケットやクルージングチケットなどをプレゼントし大切な誰かとどうぞというスタンス。
男同士のお祝いなどならビール2ケースとか樽ごととか(笑)、パーティーシーンに「あれば非常に役に立つ」という実用性重視の消えてなくなるものをプレゼントする。

坂ルチアーノショーでは、一晩で10件を越えるお誕生日やお祝いの拍手が鳴り響くこともあった。
それはまさしく、ルチアーノショーが追求する“2人の時間”こそが、ロンドン大学の研究者2人が導き出した“結論”の実写版だったに違いないと私は確信している。そしてそれはまた再び人々の前に姿を現すに違いない。

f0337316_21204838.jpg
そんな本日のBGMは El Beso del Final by クリスティーナ・アギレラ
英語もスペイン語もできない私は歌詞はわからないが、とてもロマンティックな曲だ。

乾杯できる人がいるって素晴らしい。
私は常にそれを忘れない。

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーのブログへ。

Photographer: Charlie

Homepage
Facebook
Twitter
Instagram
ルチアーノショーで働くスタッフのブログ
専属カメラマン☆チャーリーの寄稿ブログ(過去ログ)
専属カメラマン★チャーリーの部屋(過去ログ)

ルチアーノショー
TEL : 03-3531-4851

by charlie-ls | 2015-02-05 21:27 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ

カメラマン☆チャーリーのブログ


by チャーリー
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28