ルチアーノショー寄稿ブログ

私のオートクチュール香水「銘シーン」(Meilleur Moment)すなわち「メヤママ」は最近アガタの“お気に入り”となった。
2ヶ月ほど前の「第一印象」はあまり良くなかった様子だったが、時と共に、心境と共に香りの好みは変わる。季節の移り変わりのように。

「見た目はヒドイけど喋って見たら案外イイ人ね」的な感じだろうか(笑)。

香りの好みが合う人は、総じて相性が良いと言うが、この説は、香りが大脳辺縁系にダイレクトに伝わり、大脳辺縁系は「本能」を司ることに由来している。知識や情報に左右されにくい。
しかし私とアガタの相性はと言うと、1/38500秒では非常にしばしば(very often的に)ズレる(笑)。

ちなみにメヤママの非公開成分7種の当選者はまだ出ていないし、ブログ記事も自動的に消滅していない(笑)。
ソムリエ達よ挑戦してみないか。ボランジェを手に入れてみないか
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アガタの好きなレモングラス(左)と、ロキシーの好きなミルラ。

レモングラスの香りを好む人は、筋肉疲労の傾向が見られると言うが、アガタに尋ねたところ実際にそうだった。ショーダンサーで毎日4時間踊っているのだから当たり前と言えば当たり前だが、香りの好みは人のその時の状況を見事に表してくれる。ちなみにレモングラスはイネ化で草から抽出される。名前とは裏腹にレモンとは全く関係ない別物だ。

一方でロキシーはミルラ(没薬)が好きという。ミルラはカンラン科の樹脂であり、古くは“ミイラ作り”に使われていた。
以前Facebookで全身に包帯を巻いたロキシーの写真(コスプレ?)を見たことがあるので妙に納得した(笑)。
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ワインも先に香りで選べたらいいのにと思うことがよくある。
そうすれば本能的に欲したものを選択できるし、今の自分に最も必要なワインを選ぶことができる気がする。
しかし一度抜栓したら2〜3日しか持たないので、香りだけテイスティングするということはなかなかできない。そもそも開けたら最後、ボトルは買い取るしかない。

ワイン選びも値段が高くなってくるとなかなかギャンブルだ。
幸いにもカリフォルニア・ワインで「ハズレ」だと感じたものはほとんどないし、ルチアーノショー・セレクションのワインは非常に優れていて、コストパフォーマンスも高い。
昨年ルチアーノショーでバイ・ザ・グラス提供されていたダリオッシュ・ワイナリーの赤ワイン「キャラバン」は、グラスにしては2,900円と高めだが、絶賛に値する程のコストパフォーマンスを誇っていた。
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白い砂の砂漠とキャラバン。ナガイ作。

「ハズレ」を出さないためにもソムリエという仕事があるのだが、個人的なことを言うと、フランスワインはなかなか私の好みにはマッチしてくれない。
過去(もう7年以上前だが)に飲んだフランスワインで美味しいと思ったものは、ペトリュスとラフィット、バタール・モンラッシェ(の一部)、シャブリ・グランクリュのみ。ソムリエに勧められるままに注文したものだったが、美味しいものの値段も高い。

私なら“ジャッジ”と“ボンド”(いずれもカリフォルニア)。
※瀬戸秘書室長のブログ「パリブラインドテイスティング事件の再来」ではVIPによるジャッジとバタールの豪華飲み比べの様子が綴られている。時の流れは早くもう3年も前の記事だ。
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ボンドは5種あり、その中でもヴェッシーナとクエラが好き。

ジャッジ(シャルドネ)とボンド(カベルネ・ソーヴィニョン)はここ6年以上変わらず好きな銘柄だし、飽きさせない魅力があるので、自信を持っておすすめできるワインだ。ビンテージごとの差もそれほど激しくなく安定していて、パーカーポイントも常に95点以上を堅持している。

なぜこの2本が好きなのかというと、それはまさしく“香り”が持つストーリー性、ドラマ性だ。
ルチアーノショーでは、ワインの色を見るんじゃない。色気を見るんだと教える。
どれだけ葡萄の品種や年数を感じ取っても、その向こう側のドラマが見えてこないと、ワイナリーの信念や思い入れを理解するには至らない。
それは野菜も同じで、マイク・タケダのブログ「野菜農家 浅野悦男×ダリオッシュワイナリー ダニエル×赤髪のロキシー」でも語られている。
これらは勉強や訓練よりも、人間として感性が問われる領域ではないかと思うし、一番難しいそこを追求しようとするからルチアーノショーはオモシロイ

ルチアーノショーがオープンして間もない頃よく見かけたシーンがある。
まだ若干20才ちょっとのスタッフに、研修で高級なカルトワインをテイスティングさせる。
スタッフ:私にはまだもったいないです。
教官:いいよ、いいよ。飲んでみて。
スタッフ:いただきます。
スタッフ:美味しいです。いやぁー素晴らしいですね。酸味といい舌触りといい、深みのある味わいといい。
教官:高いからそう感じる?
スタッフ:いえいえ、そういうわけではなく・・・。
教官:自分でお金払うならこの前のとどっち選ぶ?
スタッフ:前回の方を・・・。
教官:今回のを選ばない理由は?
スタッフ:少し苦みというか、青臭ささを感じまして・・・。
教官:遠慮せず好みを言っていいよ。
スタッフ:前回の方が好きです。あの華やな香りが強く印象に残っていまして。
教官:それが本音なんだから自信のある方を売ろう、いいね。

自分が自信を持てないものを売っちゃいけないというルチアーノショーの科学である。
ワインの渋みとか酸味とか舌触りとか色とかビンテージとかはプロなんだから当たり前に学習するとして、「あの華やかな香りが」とときめいた表情で語られると、何か思い入れというか強いアピールを感じ、おっ飲んでみたいなと思う。

もちろん、人生経験もそうだし、いろんなもの飲んで年数経たないとわからない味ってものもある。
しかしそれを若手に追求してもしょうがないし、早く年を取らせる必要もなく、むしろ若さは若さとしての良さがある。

「今の自分」で自信が持てるものをすすめようってことですな。

一方余所で食事すると、飲んだこともないワインや高いお酒を知識だけで「おすすめですよ」と売ろうとしてくる人がいるが、ルチアーノショーでは「何を根拠におすすめなんだい?」と追求される。結局は「カタログ」上のスペックでしかない。
このインターネットの時代、WEB上のどこかに載っている情報だし、手持ちのiPadでそのまま検索することもできる。知識・情報というものは専門家だけのものではなくなった。
印象を尋ねると、飲んだことないもんだから苦し紛れに「飲みやすいですよ」なんて言われる。そもそも飲みにくいワインは出さないでほしい(笑)。

目を開け。口を開くな。 by ゴッドファーザー
考えるな。感じろ。 by ブルース・リー

そういうことじゃないか。

そんな本日のBGMは(久しぶり)GoldenEye by Tina Turner(007 "GoldenEye" Theme)
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映画スカイフォールに登場したブルドッグの置物。ボンドの上司「M」の机の上に置かれていた。

“香り”を学ぶと、「空気を読む」の意味がわかってくる。
アロマでもワインでも、どんなに知識・情報を身につけ、どれだけカウンセリングしても適切なものが提供できない人もいれば、初めて会ってわずか数秒で相手が欲しているものを提供できる人もいる。
オーラを読み取るのか、波動なのか間合いなのかわからないが、まさしく「本能」による触れあいの領域ではないかと思う。

色を見るんじゃない。色気をみるんだ。
それは見えてないものを感じ取るムーディーでロマンのある世界である。

そこを追求し科学するルチアーノショーでは、是非「私っぽいワイン」「私に似合うカクテル」なんてオーダーをお試しくだされ。

あとがき
傘がないネタがない後がない籍がない屋根がないと、追いかけられるかのように綴り続けたルチアーノショーの支配人であり文人米澤の最新ブログ「清く、正しく、美しく」は、何か今までになく心が澄み切った印象を受けた。

ブログデビュー(私と同時期)から1年経った今も相変わらず胸板の薄い米澤 儀明
何かの予感を感じずにはいられない。

静かに幕を開けたルチアーノショー第10シーズンは、史上初のショーのない“新しい火曜日”を打ち出している。

あなたの人生の銘シーンはここで生まれる。
私はそう信じている。

Photographer: Charlie

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〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-7 The Hexagon 9F
03-3568-4818

ミニマムペアプラン
ピッツァ1枚+ロバート・モンダヴィ「ツインオーク」(赤または白)1本でペア6,000円(2人で)はいとをかしすぎる。
※消費税、サービス料、スタンディングテーブルのカバーチャージ込み。

# by charlie-ls | 2014-05-22 02:09 | 【赤坂】ルチアーノショー寄稿ブログ | Comments(0)

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