WAIS-III ウェクスラー成人知能検査を受けてみた。全額負担で。

ウェクスラー成人知能検査、その名も「WAIS-III」を受けてみた。
全額負担で。

大人になって試験という試験は、車の免許とメンサとコレくらいだ。
いや、コレは検査か。メンサとケンサを受けたことになる(どうでもいいか)。

証明書による入会判定について
https://mensa.jp/certification.html

JAPAN MENSAはWAIS-IIIの証明書を提出することで、条件を満たせば試験を受けずに入会できる。

私のWAIS-IIIの結果はIQ 140(=全検査値、標準偏差15)
メディア的に言うとIQ 164(標準偏差24値)。
2020年、WAIS-IVを受けた

/*
よく見かける「IQ 162をマーク!nn才の子供がアインシュタインやホーキング博士を超えメンサ入り!」というニュースは、私が見る限り全て標準偏差24値なので(メンサをIQ 148以上と表現している場合間違いない)、それを真に受けるならば私も超えているし、記事になっている人達よりも2〜3高い。が、そんなにゴロゴロとアインシュタインを超えるはずがないので、何かおかしいと読み解くところから始まる。そのくらいマスメディアというのは専門知識も持ち合わせていないし分析能力もない(ことが多い)。ちなみにニュース記事の英語原文にはちゃんと説明が書かれていることもあるので、日本のメディアか翻訳者が疎いだけかもしれない。
もし当時アインシュタインが知能検査を受けていたら、標準偏差15値で160はあったんじゃなかろうか。受けた記録はないそうだ。
ジョディ・フォスターのIQ 132は標準偏差15値かと思われる。でなければメンサに入れないので。
*/


言語性、動作性に限らず、下位項目全てにおいて130を超えているので、メンサはどっちで入会しても良かったということ。
※保険適用なしでWAIS-IIIを受けるとメンサ試験料の3倍以上かかるから、真っ直ぐメンサ試験に直行した方がお得(?)。※実際は1万円ちょっとのよう。私はついでにアレもコレも受けたので高くなった。

IQ分布では250人に1人だから0.4%、世界的に140からを天才と位置づけているそうだから、ギリギリ仲間入りした。
「滑り込みの天才」とか、「駆け込み乗車の天才」とか名前付けたら売れますか?的な。一瞬、滑り込みや駆け込みが巧いのかと思う。

で、スティーブ・ジョブズがIQ 140らしい。
なんか申し訳ない。

晴れて私は天才になった。

おもしろい日本語だ。

いつも試験とか資格の話を聞くと感じることがある。
例えばソムリエ試験の合格通知が来たその日から人はソムリエになる
でも試験日当日には既に合格するレベルに達していたのだから、この人がソムリエになったのは試験日当日じゃないか(事象の発生)と考える。
※例えば、オリンピックで100メートル走り、9秒00を出してから世界新記録と金メダルが確定するまでのタイムラグのようなもの。
更には、試験前日は余裕で勉強もせず、いつもどおりの生活を送っていた人は、試験の前々日にソムリエ相当になっていたことになる。
もっと言うと、合格するだろう軌道に乗った時点で、その人はソムリエになることがほぼ決まっていたと言える。

/*
おもしろい記事を見つけた。

ここまで厳しい。世界10の超過酷な試験
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52152799.html


メンサは9位、「マスターソムリエ資格認定試験」は1位だ(笑)。ソムリエにとっての最初の難関は受験料8万円ではなかろうか(笑)。
*/


シュレディンガーの猫だ。
量子論の入門で必ず出てくる。
観測するまでは確定されず、考えられる可能性を元にした2つ以上の世界が同時に存在するというパラレル・ワールドの理論。
そして光は、過去に遡って結果を書き換えたりする(過去に影響を与えているように見える)。

光子の過去を変える!? 量子力学の不思議な実験
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2000S_Q2A120C1000000/

ソムリエ試験当日、合格する行動(筆記や実技、全てにおいて)を取った人は、例え採点前でも合格が決定しているが、採点後に合格が確定していても、本人は通知を受け取っていないため、「不合格」かもしれないと心配したりする。
更には合格通知が郵送されても、受領していない限り本人にとっては合格という事実が確定しない。
もし、一緒に受けた友人宅に先に通知が届き、Facebookにでも「合格した」と近況報告を載せようものなら、まだ通知が届かず近況報告できない片割れに対し、「不合格なんじゃないか」論が密かに噴出する。本人自身も含めて。
一週間も通知が届かないと、仕舞いには「本当に受けたの?」疑惑さえ出てくる(笑)。

人は過去に遡って事実をねじ曲げようとする。

この合格通知による事実の確定は、郵便屋さんマターだ。
そういったある特定の要素によって、事実を事実として確定させられないと困るので、多くの試験はホームページに合格者受験番号を掲載したりするなど2種以上の通知手段を採用している。
※ジャパン・メンサはメールのみだ。
パールハーバー前の宣戦布告も、2つ以上の手段によって伝送されていれば、少なからずどちらかを持ってルーズベルト大統領の手に渡ったのではなかろうか。

それは置いといて、正直に自己開示すると、検査日の数日前、お馴染みのロンドン3丁目(笑)の女性に「測定上限値の161かエラーを出す」と宣言したので(笑)、何ともネタがないままに終わってしまったことが若干不満なのであります。
いや、彼女よりも低いことは(初めから)自分でわかっているので、150を超えないことは何年も前に確定していたことに目を向けるべきですな。

というわけで、資格とか試験というのは、ある事柄を確定させるための return (enter) キーだ。文字は打ち終わってるんだが的な。

/*
(*A) WAIS-III ウェクスラー成人知能検査
Wechsler Adult Intelligence Scale-Third Edition
略称:
WAIS-III(ウェイス・スリー)
16才以上を対象とした世界標準の知能検査。アメリカでは既にIV(フォー)が出ているが、日本ではまだ見かけない様子。最高値161(成人は156)まで測定でき、それ以上は「161以上」と表現される。標準偏差は15
よって161を超える数値の自己申告については、民間のオリジナル知能検査である可能性や、標準偏差24(Cattell scale)で算出されている可能性、子供の時に受けた昔の精神年齢から算出するタイプの数値である可能性もある。
※精神年齢算出型は、実際に解けた問題数ではなく、この年齢でこれだけ解けたら「n才相当」と算出するため、年齢が下がれば下がる程161以上が出る可能性がある。現在の成人知能検査においてはほとんど使われない。
※精神年齢から算出する田中ビネー知能検査Vは今でも現役のようだ。13才までを対象としていて、年齢によっては平均が119と高い。
標準偏差は16
成人知能検査は2〜3時間を要し、人によっては2日間に分割される。
16才未満はWISC-IV(ウィスク・フォー)を使用する。
海外のメンサは、テストの合否と併せてIQが通知される。大人はIQ 161まで、子供はIQ 162まで。
*/


WAIS-III ウェクスラー成人知能検査を受けてみた。全額負担で。_f0337316_18524285.jpg

メンサは本当に「行列推理得意集団」「パズル得意集団」なのか、或いは、本当に人口の上位2%のIQの持ち主が集まる高知能集団なのか。巷では数年来のこの議論に対し、自分で検証した方がが手っ取り早いでしょという結論に達した。

その前に、事実こそに答えがあるという観点から、何で議論ばっかり見かけて、誰も立証・検証しようとしないのだろうと疑問に思った。
わかった。
費用が高い(笑)。
私は前後のカウンセリングやその他の検査も受けたので36,000円(保険適用なしの全額負担)かかった。
「保険適用なら3,000円程です」と最初に言われた。3割負担なのに計算が合わない気もするが(笑)、「できる検査は全部」と言った結果追加されたんだろう。

インターネットは、高価なものほどレビューがない。
それがまた所得分布に比例し、結局のところ統計は大凡正しいことがうかがえる。
私のような検証マニアは、極めて希かつ貴重な(アピール)存在であることを念のためここに記したい。

能検査は臨床心理士立ち会いのもと行われる。
オンラインIQテストと比べて、2回以上やってみたり、解答を検索したりもできないし、写真撮ったりして問題を持ち帰ってゆっくり解いてそれが外部に漏れたりしないという点から信頼性が高い。

場所は心療内科。
その昔、テレビなどで「精神病院」と呼ばれていた場所で、今では精神科、心療内科と分かれ、より来院しやすいよう配慮されている。
院内では決して名前が呼ばれず、内容などが読み上げられるようなこともないし、明細にも細かな内容を書かないという徹底ぶり。多分家族にも見られたくないという人も多いのだろう。
また受付から呼びかけるのではなく、そばにやってきて小声で話してくれる。
すんません、こんな男のために15歩ほどご足労をおかけして。

病院というのは、何かしら自覚症状があったり、他人から見た疑い、明らかな疾患があったり(物理的、生物学的、行動的)、結果として治療が必要と判断されない限り、保険は適用されない。
私の趣味の知能検査に国民が納めた健康保険料を割り当ててもらうのも気が引けるので、自ら全額負担を名乗り出た。
が、そういう来院は初めてだそうで、何でもいいので、お悩みのことはありませんか?」と聞かれ「悩みがないことが悩みだとか、自分が悩んでることに気づかないことが悩みだとかダメですか?」と言うと、しばらく悩まれて、「ではもしカウンセリングや知能検査の結果、治療の必要性が認められた場合は保険適用しますね」と言われた。

結果、全額負担
※更にちょっと割高っぽいし(笑)。

せっかく心療内科まで来たんだから、知能検査とは別に精神面も見てもらおうとカウンセリングやテストを受けたが、結論的に「何か特殊な訓練を受けましたか?」と聞かれた。
いわゆる軍人や特殊部隊などの養成訓練に参加したことがあるかという話だった。
ナイ
メンタル面に微塵の不安要素(例えば鬱とか)もないらしく、いわゆる「問題なし」と判定されるラインから大幅に「なし」の方向に傾いているという。
朝までさんざんお酒飲んで血液検査に行っても、肝数値がお酒飲まない女性よりも低い(元々男性の方が高い)と言われるソレと同じですな。
※今まで見たことがない結果らしく、それはそれでマイノリティだから、普通か異常かで言えば異常に分類される恐れがある(笑)。

自分でわかってるから、下手な芝居をせずに、全額自己負担を名乗り出たのであります。

初日はとりあえず先生のカウンセリングで、その場で知能検査は受けられないことがわかった。
待ち時間など含め3時間ほどかかるということで、「いつでもいいです〜、急ぎませんし。ブログのネタ用なので」と言ったところ、「現在1ヶ月ほどお待ちいただいておりまして、全体の検査には3ヶ月ほどかかります」と言われた。
「はい〜、ただの趣味なので1年かかってもかまいません。ブログのアップが延びるだけですから」と伝えた。
多分相当後回しになるだろうなと思っていたところ、受付で「明後日どうっすか」的な急展開。

医師が診て、急いだ方が良さそうな顔をしていただろうか、私は(笑)。

「3時間ほどかかるので、分割しますか」
と聞かれ、「13時間は余裕で集中できます」と応えると、明後日で確定した。

日。
ま〜、綺麗な女性ではありませんか、気象予報士の方。
「気象予報士さんですね?」
「いえ、臨床心理士です」
一瞬笑みを浮かべそうになったが、受付の人といい先生といい、皆神妙な面持ちで真剣に向き合って話をするので、多分場所柄、笑ったりしてはいけないのだろう。私の場合笑ってくれないと辛いのだが。
「では、始めますね」
「お綺麗ですね」
“また始まった”自分で思った(笑)。
3秒くらいポカンと見つめられた。
「もし実際より低い数値が出たり、何か治療が必要になったら、貴女のせいですよ053.gif」と言ってみたらやっと笑顔を見せてくれた。

恋の病に陥ったら治療を頼むぜベイビー的な。
IQ 140だとそんなこと言うのか!と決定付けないでほしいのであります。

念のため確認した。
「ちなみにこの知能検査、最高値はどのくらいですか?」「161まで測定できて、それ以上は161以上という表現になります」
なるほど。噂どおりだ。
「じゃ、161出しますね」
マジシャンじゃないんだから。

※2018年02月17日:成人知能検査の上限は156のようです。読み替えてください。

結果は宣言を大きく下回ってIQ 140(全検査値=FIQ)。

知能検査自体は2時間くらいだっただろうか。カウンセリングやメンタルテスト数種類が30分くらい。後は待ち時間の方が長く感じた。合計約3時間。
検査中、予報士の女性がペンを落としたので、それを拾ってあげようと机の下に潜り込んだところ「時間を計っていますので、お気遣いなく集中してください」と言われたので、「いや、綺麗な脚を眺めるチャンスに一瞬で気づいた点も記録していただきたいんですが」と言うと、真剣に笑ってくれた(笑)。

結果報告書にも書かれていた。
「常に周囲に気を配り、楽しませようという余裕、ゆとりが見られた。かといって試験内容が簡単で退屈だという様子もなく、むしろ楽しさが思考を促しているようにも見られた」だそう。ラブレターみたいなことが沢山書いてあった(笑)。

言語性(VIQ)と動作性(PIQ)はほぼ均一で、おもしろいのは、動作性カテゴリの行列(推理)と言語性カテゴリの算数は2段低かった。
自分が苦手だと思っているものがちゃんと低い。
本番に強い私は、これでも「算数」は予想外のできだった。本当は2桁の足し算でも大変なのでもう2段更に低くてもいいくらい。余裕で小学生に負ける自信があるし047.gif

そして一番意外だったのは言語性カテゴリの「数唱」が一番高い(笑)。
例えば「58126947」と口頭で伝えられ、それを復唱したり、逆さまから言うテスト。いわゆる短期記憶だ。まだ昔の能力が残っていた。
「貴女の声がステキなので、何桁でも覚えられます。このまま続けませんか」と真顔で言ってみたら、予報士さんの声がうわずっていた。

/*
ちなみに赤坂時代、私が偶然外で見かけた10桁の数字を覚えていたので、ある女性スタッフに「10桁って何の数字ですかね」と話したところ「牛の個体番号じゃないですか?」と言われ、確かに鉄板焼きで食べる時に見せられたソレだった。「一回だけ言うので覚えられますか?」と口頭で伝えたところ、半年経ってもその女性は覚えていた。牛の個体番号って気づく点も鋭いし、こうした試験には出なくても特殊な才能を持っている人は世の中にたくさんいる。見いだされていないだけだ。
*/


私の適当な計算では、私の行列推理能力は、メンサ合格ライン+1くらいのところに留まっている気がし(これだけで算出すると多分だが標準偏差15でIQ 132くらい)、メンサの「行列推理得意集団説」の足を引っ張っている可能性が高い。

知能検査項目を列挙すると↓こんな風に分類されている。

言語性尺度(VIQ、Verbal Comprehension)
 言語理解(VC)
  単語(Vocabulary)
  類似(Similarities)***
  知識(Information)
 分類なし
  理解(Comprehension)***
 作動記憶(WM、Working Memory)
  算数(Arithmetic)
  数唱(Digit Span)
  語音(Letter-Number Sequencing)

動作性尺度(PIQ、Performance IQ)
 分類なし
  配列(Picture Arrangement)
 知覚統合(PO、Perceptual Organization)
  完成(Picture Completion)***
  積木(Block Design)***
  行列(Matrix Reasoning)
 処理速度(PS、Processing Speed)
  符号(Digit Symbol-Coding)***
  記号(Symbol Search)
 分類なし
  組合(Object Assembly、組み合わせであって管理組合とか労働組合とかじゃない)

***印は、フリンの言う「現代的下位検査」。

私を担当してくれた臨床心理士さんの話によると、言語性IQは主に聴覚、動作性IQは主に視覚からの情報処理が影響するとのことだった。
私の場合「僅かながら聴覚優位っぽい印象がある」と言われた。お見事。
自分では聴覚にしか頼っていないと感じていたが優位なのは間違いない。その理由として「色が見えません。色覚異常、いわゆる色盲です。」が挙げられる。

こういった傾向から、本を読むにしても声を出して読んだ方が覚える人、目で追った方が確実な人とわかれるのだろう。
が、私は本は全く読まないし、声を出して読むことはまずない。

※本を読まないのはよくないらしいので、この2ヶ月程は頑張って読むように心がけている。

「知識」のカテゴリでは歴史上の人物について聞かれたりする。
内容は中学校の社会の教科書レベルなので、義務教育以上の学力で対応できるが、あまり意味はなさそうな気がした。
大人になると忘れて、習ったばかり若者の方が正確に答えられる場合もあるし、更に大人になれば教養として学び直し、より詳しい知識を持っていたりする。
「年の功」で対応できるものも多々ある。

知識をどれだけ測定したところで、相手が外国人だとまた必要な知識も異なるし、あくまで義務教育レベルの情報を記憶していられるかという測定のように感じた(長期記憶)。
前述の「数唱」も同じで、これが英語だったとすると、読んで記憶できても、(私の場合)口頭だと覚えづらい。
一方で、小さい頃から海外を周り、日本語と英語、現地語など数カ国語を使いこなす人で、日本を長く離れていたがために、つい混乱してしまった場合などは、数値が低く出るだろう。
バイリンガルの人が、言語性知能が低いと出るのは事実に反する。

/*
「言語性知能」というくらいなら、いっそ何カ国語話せ、理解できるかを測定すればいいんじゃないかと思うが、アメリカで開発された知能検査に英語以外の重要性が考慮されるはずがないし、そうなるとただの語学力テストになってしまう。
ただし日本語は日本以外で通じないので、ほぼ世界共通言語と化した英語圏の人が「英語能力が高ければそれでいい」と考えるようにはいかない。あくまで少数民族、希少言語だ。
*/

言い換えると私がアメリカで検査を受けたら質問の意味さえ聞き取れないので、言語性知能は平均を大幅に下回るはずだ。よって言語性知能の測定は、「知能」というよりは、検査をする国において日常生活にどのくらい支障があるかを測定するためのかと思われる。
※元々知能検査は、高い能力を発見するためのものではなく、日常生活において何かしら疑問、不安、困難を感じた際の原因を探るために存在する。だからこそ病院で受けることになっている。例えば「何かがとても高く、他の何かは普通」という場合、平均すればIQは高くなるが、この「差」が大きいと発達障害として診断されることもあるそう。考えはまとまっているのになかなか言葉が出てこないとか。

一方で動作性知能の検査内容は、敏感な人なら何も言われずに渡されたものだけで答えがわかるため、問題文や質問文さえいらないし、言葉がわからなくても解けるようになっている。
どこの国の人だろうと、何語を話そうとも適用できることから、国際社会の時代だし、インターネットで海の向こう側の人達とも交わる時代である点から、「今」必要とされている能力を測定するには、極めて有用だと感じた。

そもそも言語は後天的に学ぶものなので、俗に言う「IQ」という意味合いからは離れ「知識」の領域だ。
そういった点から、私はあまり言語性知能の測定は、生まれ持った「知能」を知る上ではそれほど重要性を感じなかった。
※と思ったら、2008年に改訂されたWAIS-IVでは、言語性知能と動作性知能の区別はなくなったそう。

その他、TEGエゴグラムとカウンセリング、ADHD検査、アンケートや作文みたいなやつ(A4で6ページほど)など、できることは一通り受けたが、微塵も異常は検出されなかった。


私見(WAIS-IIIまとめ)

インターネット上にあるWAIS-IIIの結果などを収集して、IQの統計とすることには賛成できない。
成人知能検査は、主にADHD、発達障害、アスペルガー、自閉症などの診断に使用されるとのことで(だから精神科や心療内科が管轄している)、通常は学校、大学を除けば知能検査を受ける機会さえない人が多い。特殊な仕事に就き知能検査を受けさせられたとしても、合否または適正だけが伝えられ数値までは教えてもらえないことが多いので、検索して出てくる数字というのは、一般的に保険適用(患者さん)の統計データと捉えるべきだ。
そこをつまみとって、高IQ保持者を病質者扱いするのはトンデモナイ偏見(非常に多いようだ)であり、統計(確率)の「偏り」を考慮していない典型例だ。

自閉症と高い知能の間に遺伝的な関連性が認められる(英・豪研究)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52187504.html


というデータもありつつ、これまで高知能と統合失調症の関連性が疑われ続けてきたものの、最近では否定される説が増えている。

IQが高い人は統合失調症になりにくいことが判明
https://minacolor.com/articles/show/723

天才と統合失調症に相関性は無い、「通説」を否定
https://www.mededge.jp/a/psyc/6973


私のように全額負担で趣味で受ける人がどれだけいるかと考えると、それ自体が極めて少数派であり、表に出ているデータの特異性(統計が偏るだろう要因)が重なることで、IQに対する偏見、思い込み、噂などが蔓延する原因でもあると感じる。
小学校、中学校、高校、大学でほとんどの人が知能検査を受けるため、統計データに記載される「全人口」とはそこから算出され、なおかつ成人するとIQに変化はないと考えられている点から、一般的な知能指数統計は既に出ており、公表されている分布図どおりだと考えられる。

ちなみにADHDと診断される人も多いそうだが、次のような優位性を見いだす記事もある。

世が世なら・・・発達障害「ADHD」は狩猟採集社会では優位性を持っていた。現代でも適した職業や場所が見つかれば特性を強みに変えられる可能性(米研究)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52183303.html


ADHD=注意欠陥/多動性障害と「障害」がついているが、英国諜報機関GCHQはディスレクシア(学習障害)の人を大量に雇い入れ、暗号の解読業務にその能力が活かされている。
見いだされていないだけで、価値のある能力は沢山あり、必要とされる場所は必ずあるはずだ。
それを見いだせない側の能力の欠落に目を向けてもいいんじゃないだろうか。

※大人のADHD、とても増えているそうなので、気になる方は下記をお試しください。

大人のADHD症状チェックリスト:成人(18歳以上)用
http://adhd.co.jp/otona/selfcheck/


■現在 2/10 ページ。
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■目次
 1ページ:噂のメンサは本当に高知能なのか。実験台になってみた。
 2ページ:WAIS-III ウェクスラー成人知能検査を受けてみた。全額負担で。 現在ページ。
 3ページ:オンラインIQテストの信憑性をメンサ&WAIS-IIIと比較。
 4ページ:Cambridge Brain Sciencesをやってみた。
 5ページ:「上位2%」は100人に2人や50人に1人とは限らない。パラドックス的な。
 6ページ:知能レベルが高い人ほど人を信じやすく、低い人はあまり人を信じない?
 7ページ:言語性知能。片言の外国人との会話から考察。
 8ページ:知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。
 9ページ:東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。
 10ページ:頭と心、理論(Logic)と感情(Emotion)。
 あとがき:知能指数とは。良き理解者へ。あとがき。
 別冊:色盲とIQ。色が絡むとIQ(判断力?)が著しく下がる。
 別冊:知能指数(標準偏差15,16,24換算表)と出現率をエクセルでまとめてみた。
 別冊:国別のノーベル賞受賞者数とメンサ会員数。
 追加少年からのお便り。
 追加知能検査で天才を探す欧米と、診断目的でしか使用されない日本。
 追加学力偏差値でいうところの上位2%とは。
 追加IQ 162以上を正確に測定できるのか。唯一の解答者は「運命の人」なのか。
 追加賢い人、賢くない人の特徴。IQ、学力、知識を束ねるのは性格(感情)。
 追加天才とEQ。スティーブ・ジョブズのEQは高いのか。
 追加オンラインIQテストを標準化する。本物の値に近づけたい人のために。
 追加優れた能力は“発信”しよう。自慢ではなく事実を示せばいい。
 追加メンサ会員と東大生はどっちが“強い”のか(笑)。
 追加IQベースの児童英才教育は注意深く進める必要がある。
 追加都合良く曲解されているEQ。元々農耕民族の指標ではない。

Photographer&Engineer: Charlie
JAPAN MENSA会員
AEAJアロマ検定1級(笑)

チャーリーのタンブラー(毎日更新、日記・ブックマーク的な)


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by charlie-ls | 2015-09-01 10:01 | 寄稿ブログ

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