東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。

実は事実でいい。

高級マンションに住むあるご婦人が、エレベーターで乗り合わせた少年(日本人)の足の長さに驚いたというエピソードをご紹介したい。
少年はこのご婦人に「足長いね」と声をかけられると「ハイッ」と応え、「学校でみんなからも言われるでしょう?」と言えば「ハイッ、言われます」と応えた。昔で言うと、何か臭いのかなという鼻の前で手を振るお馴染みの謙遜の仕草「イエイエ」を期待するところかもしれないが、この少年は非常に賢い。そして最後に「カッコイイねぇ!」と言われた少年は、そこで初めて「いやぁ〜、デヘヘ」と照れくさそうにしたという。
足が長いという事実、みんなからも言われるという事実。これは謙遜して覆い隠したりねじ曲げる必要性はなく、事実は事実として事実のまま有り続けたら良い。じゃなきゃ足が目立つ服を着ただけで「自慢している」(すわなち難癖)とか言い出す者にいじめの隙(材料)を与えてしまいかねない。それが嫌で「ギフト」をしまいこんでしまうようになってはもったいない。だから否定せず毅然と事実を受け止める少年は、自分の立場を守る意味でも正しいし、与えられたものへの感謝の意思表示でもある。一方で「カッコイイねぇ!」とは、事実かどうかは関係なく、見た人の主観的な感想であり、一般的に「カッコイイ」とは褒め言葉であるのだから、そこで「照れる」というのはとても常識的かつ正常な反応だと私は思う。
だから決して「可愛げがない」わけではなく、恐らくはこの少年、「事実」と他人の「主観的感想」がちゃんと脳内で区別できているのだろう。私はそう分析する。

何でもかんでも習慣的に「イエイエ」「イエイエイエ」と謙遜するよりも、謙遜した方がいいシーンなのかどうかを考えることも必要じゃなかろうか。

正面きって褒められると、確かにどんな顔をしていいのかわからないという人は多い。
ならば毎日困ってないで、どんな顔をするか「そろそろ考えよう」と思う日は訪れないのだろうかと思う。
訪れないからこそ「イエイエ」をただ機械的に続けるのだろうが、毎日同じ事の繰り返しでいいのだろうか。
そこで褒められ慣れている人は(この少年のように)、「イエイエ」ということが、相手にとって失礼になるかもしれないことも、もう考えた結果なんだろうと思う。

どれだけ勉強しても90点しか取れない友達から、塾にも行かずいつも100点を取ってる子が「頭いいね、すごい!」と褒められた時、「いやぁ、俺なんて大したことないよ」と言ってしまうと、友達の立場がなくなってしまう。ならば「ありがとう。塾行きたくないから授業に集中してるんだ」とでもサラっと言われる方がすっきりする。

謙遜はただ反射的にイエイエ言っていればいいのではなく、相手の立場を考えた謙遜こそが、本当の意味での謙遜であり、本来の賢い日本人の姿だったんじゃないかと思う。

が、事実が事実として受け入れてもらえない環境なのもまた事実。

東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。_f0337316_12310047.jpg
東大首席弁護士が教える「ブレない」思考法
仕事に必要な「俯瞰力」の磨き方 著:山口 真由

おすすめの本。
オフィシャルブログ Facebookページ

以下私見でありレビューなので、上から目線に思われたとしても何卒ご容赦願いたい。

大首席卒業、財務省(主税局)勤務、弁護士、ハーバード留学(現在)という経歴の、世の中で言う絵に描いたようなエリート中のエリートだ。しかも美人。見た感じお洒落のセンスもいい。
学歴、学力をまるで重視しない、勉強しない&練習しない私とは対極の人

東大合格者は毎年3,000人強いるが、首席で出るのはもちろん1人だけ。上位n%ではなく、ナンバーワンだ。いわゆる1つのオンリーワン034.gifだ。
女史は、自分はひたすら努力の人だと語っている程、努力の人。地あたまがいいタイプではないコンプレックスの塊だと断言している。
本を読む限り、コンサートピアニストの練習時間よりも勉強時間が長い。
オール優は当たり前、首席を狙って戦略的におまけ単位まで取得したという“策士”でもある。
しかしそれでも「レビュー」でイチイチ批判されるらしく、つい「魔が差して」アマゾンレビューを「読んでしまい」ショックを受けたというエピソードも書かれている。

結局のところ人々は、努力も才能も気に入らないんだなと確信させてくれる(笑)。
だからこそ私の視点を語ってみたくなった。

“もう社会人なのに、8年も9年も前の「東大首席」が未だに自分の代名詞(看板)なのか”と女史は悩んでいるそうだが、メディアというのは「見出し」が必要なので、その見出しを持っているだけ素晴らしい。特にこれといった実績がなく、表紙や帯を作るのが大変な人が多いのだから。
メンサが「IQ 148以上」と標準偏差24値を使用するのも看板の1つだ。標準偏差15値でIQ 130以上と書いてしまうと、知能指数に複数の算出方法があることを知らない人にとってはインパクトがない。そのくらい、「目玉」がないと埋もれてしまう程の情報が混在し飛び交っている昨今、まずは立ち止まってもらうための努力だと思えば看板“仕立て”は重要だ。

そもそも「東大首席」以上の看板を掲げられる人が一体どれだけいるだろう。ブログでさえ3回も書いたら更新が途絶える人が多いのに、ケチを付ける理由があるだろうか。
看板をヒット商品に例えるならば、10年に1回の大ヒットで食べている大御所もいるし、10年に1回しかモデルチェンジしないロングセラー商品もある。
「東大首席」以上の新たな看板を作り上げるには時間もかかって当然だし、デビューアルバムの完成度が高ければ高い程、期待の大きい2作目が大変なミュージシャンの苦悩にも似ている。もはや「総理大臣になりました」くらい言わないと、世間は納得しないかもしれない。
かといって、毎月のようにもっと上もっと上と「新商品」を発表されたところで、ついて行ける消費者の数も限られている。それはそれで「消費」が追いつかない消費者から、どこかで「方向性が違う」とか、「毎月出さなくていいから1年かけてもっといいものを」とささやかれるに違いない。お金が続かないと、全部を購入できていない自分がファン失格かのような気持ちになり(被害妄想)、リリースペースを落としてくれと、相手が自分に合わせるように要求する人は少なくない。ゴルフのハンデのようなものか。累進課税制度のように、潜在的に(かつ回りくどく)弱者を生み出してしまう世の中だ。必然的に強い者が「背負う」ことを求められる(義務づけられている)。

私は純粋にスゲーと思う。
30日スクワットでさえ大変なのに、一人でプラン立てて一人で目標を達成する様は痛快でさえある。

『東大首席弁護士が教える「ブレない」思考法』(2015年)と『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(2014年)の2冊を読んだが、わずか半年ちょっと間に、文体も一目瞭然に洗練されている。
売れてきた人に見られるこなれた文体になっていくのが見てとれる。
私が言うことじゃないが、端から見て確実に成長が感じられる人って、そういるものじゃない。

/*
「アメリカ人は年とともに賢くなるが、日本人は25歳から75歳まで知能が変わらない」という驚愕の研究結果
http://rocketnews24.com/2012/04/11/201873/

大学を出て就職し、3年もすると成長が止まる印象の日本人を裏付けている。
大人になっても吸収し学び続ける姿勢が大切だ。
*/

女史の文章はどこからどうみても文系だが、とても観察・分析力が高く、30才あまりで(おっさん臭さえさせんばかりに)「俯瞰力」の重要性を強くうたうところも、財務省勤務、弁護士という「濃い」経験が活かされているし、思考のバランスの良さを感じさせる。恐らくは言語性知能と動作性知能が均等に発達した(ディスクレパンシーのない)貴重なタイプの人だろう。
※「分析」では、観察し細かくデータを拾い集め、並べ替え、統計から結論を割り出すといった職人的な脳を使い、「俯瞰」は大枠を捉えるためのイメージ力が問われる。カメラで言えば寄りか引きか、脳で言えば右脳か左脳かの違いに似ているし、技師と営業マン、職人とサービスの意見が合わないのは、どちらか一方の考え方しかできない人が多いことに起因している。こだわりと妥当性・合理性のようなもの。

置きが長くなった。
女史をなぜご紹介したかと言うと「才色兼備」と言われるのが本当にだったらしい。
欧米なら「ありがとう053.gifで済むことだが、日本人に多い。
特に綺麗な女性やスタイルのいい女性が「見た目で判断してほしくない」と、あえてその魅力(ビジュアル的な要素)を覆い隠してしまうのは残念だ。
※「ギフト」をしまい込んでしまうのは、人がうらやむプレミア商品を親に買ってもらってクローゼットに放置するようなものだ。
しかし「東大首席」の看板があれば、見た目だけで判断しようにもできない程の威力があるので、本来は気にする必要はない。「それだけじゃない」ことを自分がよく知っているはずだし、知らないのなら自分を説得し自覚した方が楽になる。
冒頭の「足が長い少年」のように、「ハイ、よく言われます」で是非割り切ってもらいたい。

※能力のある人は、見た目で判断してほしくない、東大首席だけで判断してほしくない、と自分自身に対する要求も日に日に高まっていくのかもしれない。自分との戦いだ。

むしろ欧米の社交界にデビューすれば、ハーバードやオックスフォード大を出て、お金も稼いでるし、美人でスタイルが良くて、お洒落でセクシーな女性達をウンザリする程見ることになる。そういう人に限ってピアノやバイオリン、声楽、バレエまで学び、お酒も葉巻もたしなめば、ハイヒールのまま情熱的なサルサを踊り出すような。一体これまでの人生、どこにそんな時間があったの?という程の才能と多彩な感覚を持ち合わせていたりする。
更にはヨーロッパになれば生まれから貴族階級の人もいて、テーブルマナーやシャンパンやワインの知識も持ち合わせ、場合によっては葉巻のカットから点火、持ち帰りのことまで誰に習うわけでもなく、家からそのまま外に出て、社会に通用する人もいる。自宅も晩餐会も大差ない人だ。だから物怖じせず、ただ者ならぬオーラを放つことができる。

※特にアメリカは日本にまるで興味がないので、東大と言っても知らない人がほとんどだし、「東大首席」よりも「ハーバード大学生」の方がスゴイねと言われるくらいかもしれない。

東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。_f0337316_12524439.jpg
私にとってのメンサは、オックスフォード発ということもあり、コニャックと葉巻のイメージだ。

/*
例えばハリー・ポッターで有名なエマ・ワトソンは、オックスフォード大学(2位)からブラウン大学へ転入。2011年「世界で最も美しい顔」一位に選ばれている。スーパーモデルのリリー・コールはケンブリッジ大(3位)出でありシャネルのモデルを勤めている。しかも地毛は赤毛らしい(ただ単に私の好みか)。
※()内の順位は世界大学ランキング。

世界大学ランキングTOP100(2015年度版)
http://hot-topic-news.com/world-university-rankings2015


ちなみに「ミスター・ビーン」のローワン・アトキンソンもオックスフォード大出。モンティ・パイソンもオックスフォード、ケンブリッジ大グループだ。
*/


その時こそ「もう1つのギフト」に感謝するに違いない。いや、「もっと他にないのか、私がもらったギフトをどこに隠したカーチャン?」とタンスを漁りたくなるくらいじゃなかろうか。

スポーツ界も同じくだ。マリア・シャラポワを筆頭に、アンナ・クルニコワなど、常時世界のトップ10にいながら、モデルばりに写真集さえ出してみたりする。
一昔前は、アスリートが見てくれにうつつを抜かしていると「技術が衰える」と批判されたものだが、今は違う。
科学トレーニングが進んだことで、アスリート達のスコアは「ヒト」が持つ運動能力のほぼ最高値に達しているため、その「限界」状態をどう維持するか、すなわちメンタル面をどう支えるかの方が重要になってきている。自分との戦いだ。「もうこれ以上は追求しない」と本人が決めた時点で終わりだからだ。そのためには十分な息抜きと、これをやってて良かったなと思えるシーンがとても大切になる。人によってはバカンスかもしれないし、地位や名声、報酬も含まれるかもしれないが、日本ではバカンスで日焼けしている姿よりも練習シーンの方が好感を持たれる傾向があるのも「干渉しすぎ」じゃなかろうか。娘を溺愛するストーカーみたいな父親のようだ。

誰かが最高値に達すると、その練習方法などが分析・解析され、ひいては模倣されて、いずれは周囲も追いつき横並びとなって平均が高くなる。
インターネットの普及で、そのサイクルが猛烈に速くなっている。
よって、ある1つの能力でプロとして稼げる時代ではなく、あれもこれも持ち合わせている人達が上位に名を連ねている。

確かに日本では難しい。
女性が頭が良いというだけでもなかなか風当たりが強く、一番かつ美人で、お洒落なんかしようものなら格好の攻撃の的になってしまう。
だったら、いっそ海外に出るのもいい。

だからこそ今、女史はあえてハーバード大なのかもしれない。
オックスフォード大の方が女史の性に合いそうだが。
諜報員向きのニオイがする人なので、ハーバード在学中にCIAとかに引き抜かれ、3年後に国籍変わりました!なんてことにならないといいが。日本のためを思うと。

女史が言う「俯瞰力」について、特に財務省時代のエピソードを読んで、こんなクイズを思い出した。

【話題のクイズ】自分の帽子の色が分かるのは一体だれ?
http://rocketnews24.com/2013/04/03/312303/

東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。_f0337316_12540565.jpg
※内容は記事を読んでいただくとして、下に答えを書くので予めご了承願いたい。

ゲーム理論における「因人のジレンマ」に似ているが少し違うので、「軍人のジレンマ」「諜報員(スパイ)のジレンマ」と私は呼んでいる。
1人しか答えられないし、1人が間違えると全員が射殺されるから責任重大だ。言ってしまった後に「取り消し」なんてできない。

どう考えてもDとAは無理。Bは「Aが赤だからもしかして」くらいのことしかわからず、命がかかっているので発言できない。
全体が見えているのはCしかいない。Dのことが見えていないじゃないかと言うと、そうでもない。
ルールは赤2人、白2人であり、AとBがそれぞれ赤と白だから、残るは赤1人、白1人
Dは壁で見えないからどちらかわからない。ということはC自身も自分がどちらの色かわからない。Dが白なら自分が赤、Dが赤なら自分が白。確定できないから無責任に発言できない
ということは、Cがわからないことが答えであり、それを察知したBが答えなくてはならない
Cが黙っているということは、Aが赤でBが白(だからCは自分の帽子の色を確定できない)ということだ。
Cから見て、AとBの2人とも赤なら、DとCは白だとわかり、C自身が「私が白です」と言える。
Cから見て、AとBの2人とも白なら、DとCは赤だとわかり、C自身が「私が赤です」と言える。

よってこのクイズは、1人1人が全体を見ていないと全員が死んでしまうという「信頼」関係をあぶり出すものだ。
Dは孤独に耐えなくてはならない。壁に阻まれて唯一「何もわからない」人だから。最後まで黙って耐え抜くことが全体のためだ。壁の向こうのA〜Cに託すしかない。
Aも同じだ。壁しか見えない。BとCに託すしかない。
Bは目の前のAしか見えないから、Cに託すしかない。恐らくは丸投げだ。
Cはどう考えても一手に期待が集まっていることを感じるだろう。ただ何も確定できず「黙り込む」ことがBに対する「暗号化された実行命令文」だ。
Bがそれを感じ取れるかだ。
「オイCっ!黙ってないで早く答えろ!」とか「この意気地なしめ!」と怒って自分が山勘で適当なこと言って外れたら全員を道連れにしてしまう。
Cの沈黙の理由を感じ取れるか、「黙っているC」を信頼できるか、暗号化され自分に託されたヒントをBが読み解けるかがこのクイズの肝だ。

しかし、大凡「Cは頭が悪い、決断力がない」と決めつけられて、他の誰かが発言してしまう。

会社で言えば、上司に対し「黙ってないで説明してよ」というようなシーンも多々あるんじゃないかと思う。
黙っていることに意味がある場合もあり、それが全員わかるかというともちろんそうではない。
このクイズで言うD,A,Bに当たる人が、つい何かを口走ってしまい失敗ということもあれば(言葉なんて謝れば済むと思っている人)、まさしく墓場まで正義(沈黙)を貫くCのような人もいるだろう。

4人の命はBの知能次第だ。

会社ではなくとも、ドラマや映画なら、パニクったDやA、またはイライラしたBの発言で皆殺しというシーンで印象深く描かれるかもしれない。
現実社会では、捕虜軍人などはこういった窮地に立たされ、適切な判断を下せなければ隊(組織)を壊滅させてしまうことさえある。
だからこそ軍士官テストには知能検査が用いられ、IQ 130以上の人達が採用される。

先ほどの話と同じく、今の時代、強靱な肉体を持っていれば軍人として優れているというわけではなく、何よりも知能求められている。
その典型例として英国諜報機関のMI6はオックスフォード、ケンブリッジ大出ばかりだし、米諜報機関のCIAやNSAはハーバード大出ばかりだ。

1点だけ集中して見ていると全体が見えず、全体が見えないと、「なぜこの人は今こんな発言をしたのか」「なぜ黙っているのだろうか」さえわからずに、自分レベルの小さな判断を下してしまうことが多い。若いうちは特にだ。

そこが女史が言うところの俯瞰力ではないかと思う。

女史は、学生時代はインプット(吸収)力こそが重要だが、社会人になるとアウトプット(発信)力が重要だと解く。そのとおりだと思う。
メンサでも何でもそうだが、何か役に立つの?どんなメリットがあるの?という質問を度々見かける。インプット型だ。
何か資格を取ってどう役に立つかの質問と同じだ。給料が上がる会社もあれば変わらない会社もある。給料が上がらないなら無意味かというとそうではない。
メンサに入った後、何をするかどう活かすかが自立した社会人としての発想だ。

(アメックスの)センチュリオンカードもまさに同じだ。
「年間37万円も年会費払って、どんないいことがあるんですか?」と散々見聞きした。
「じゃぁ、あなたに月3万円払うから、24時間週7日、いつでも私の電話を取り、用件をこなしてくれ」と言われたらどうだろうか。「3万円で私が雇えるなんて思わないでくれ」と怒る人が多いだろう。
しかしセンチュリオンデスクは月3万円で24時間いつだって10秒以内に電話を取ってくれる。
では、3万円じゃやらないが20万円ならやるという人が出てきたとしよう。センチュリオンデスクと比べて差額17万円以上の働きをしてくれるだろうか。恐らくは違う。
20万円で心を決めるということは、仕事を辞めてこっちに専念しようという人だ。社会的にどういう人材か考えなくてもわかる。それ以上の引きがないということを自ら証明してしまっている。
まだむしろ「100万円くれるならそれに専念するよ」という人なら、話は聞いてみてもいいと思う。どんな能力があって、どんな働きを提供してくれるのか。

そういった思考もまた「俯瞰力」かと思うし、5ページの上位2%の受け止め方にもまた同じことが言える。

ょっと話は飛んで、時として「過激な主張」の中にも事実が垣間見えるという事例をご紹介したい。
6年程前だろうか、ある会員制のバーで、当時人気のあった格闘技で世界チャンピオンになったスター選手が私の近くの席に座った。
彼は気分が良かったのか、女性の話になり、ついには「美人は呼んだらすぐ来るんだけどさ、ブスは決まって時間がかかるんだよ。誘われ慣れてないから準備できてないんだよね」と大声で話し出した。
私は女性を連れていたので、うまくその話が耳に入らないように仕向けようとしたが、むしろその女性が「確かにそう思う」と笑った。
実は私も「そういういい方じゃなくて、もう少し丁寧に話せないのかね」と思っただけで、言っていることには一理あるなと思って聞いていた。

彼が言う「ブス」という言葉はおいといて、誘われ慣れているか否かという点で見ると、日本人女性は確かに準備ができていない人が多い。
※外国人女性は必ず夜用のドレスを準備しているが、日本程ドレスの出番のない国はないらしく、友達や家族に「日本に行く」と言うと、「じゃぁドレスは置いてったら」とさえ言われるそうだ。

「出会いがない」「全然誘われない」
と言う女性は多いが、いざ誘うと「今日の服じゃちょっと」「着るものがない」と言い、「次の給料が出たら買いに行くからそれまで待ってて」となる。
「これからディナーでもどう?」って誘いに、15日後ですか(笑)。


まぁ、男性によっては自分が誘っておいて、下手に女性が準備ができていると「生意気」とか言う変わり者もいるので(笑)、世の中的にはいいのか悪いのか何とも言えないが、「誘われ慣れている人がすぐに参加できる」ということは事実だと思う。

さすが世界チャンピオン。言葉自体は乱暴だったが、その観察力、洞察力を持ってしての世界一なんだろうなと私は感じた。

日本人はなかなか回りくどく遠慮がちに話すので、「服がない」と言われると、「遠回しな断り文句なのかな」とこちらも誘わなくなってしまうという、「空気の読み合い」でこじれることが多い。そして誘われなくなった方は、「やっぱりただの社交辞令だったのかな」だめ押しの空気読みをする。

はたまた準備ができていると、「遊び慣れている」とか「誘われるのを当てにしてる」などと言われたりもする。
何でもケチつけりゃいいってもんじゃないってヤツですな(笑)。
そういうのもあって、女性は女っぽすぎないように振る舞わなきゃいけない環境なのかもしれない。

いいものはいい、好きなものは好き、スゴイものはスゴイ、美人は美人でいいんじゃないかと思うが、そうはいかないのだろうか。
何がそうさせているのだろうか。私には未だ謎だ。

次項では再び知能指数をテーマに締めくくりたいと思う。

■現在 9/10ページ。
◀前のページ「知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。」へ。
▶次のページ「頭と心、理論(Logic)と感情(Emotion)。」へ。

■目次
 1ページ:噂のメンサは本当に高知能なのか。実験台になってみた。
 2ページ:WAIS-III ウェクスラー成人知能検査を受けてみた。全額負担で。
 3ページ:オンラインIQテストの信憑性をメンサ&WAIS-IIIと比較。
 4ページ:Cambridge Brain Sciencesをやってみた。
 5ページ:「上位2%」は100人に2人や50人に1人とは限らない。パラドックス的な。
 6ページ:知能レベルが高い人ほど人を信じやすく、低い人はあまり人を信じない?
 7ページ:言語性知能。片言の外国人との会話から考察。
 8ページ:知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。
 9ページ:東大首席の山口真由女史の言う「俯瞰力」とは。 現在ページ。
 10ページ:頭と心、理論(Logic)と感情(Emotion)。
 あとがき:知能指数とは。良き理解者へ。あとがき。
 別冊:色盲とIQ。色が絡むとIQ(判断力?)が著しく下がる。
 別冊:知能指数(標準偏差15,16,24換算表)と出現率をエクセルでまとめてみた。
 別冊:国別のノーベル賞受賞者数とメンサ会員数。
 追加少年からのお便り。
 追加知能検査で天才を探す欧米と、診断目的でしか使用されない日本。
 追加学力偏差値でいうところの上位2%とは。
 追加IQ 162以上を正確に測定できるのか。唯一の解答者は「運命の人」なのか。
 追加賢い人、賢くない人の特徴。IQ、学力、知識を束ねるのは性格(感情)。
 追加天才とEQ。スティーブ・ジョブズのEQは高いのか。

Photographer&Engineer: Charlie
JAPAN MENSA会員
AEAJアロマ検定1級(笑)

チャーリーのタンブラー(毎日更新、日記・ブックマーク的な)


■現在 9/10ページ。
◀前のページ「知能、お金、容姿。○○だからいいってもんじゃないという不思議な理屈。」へ。
▶次のページ「頭と心、理論(Logic)と感情(Emotion)。」へ。


by charlie-ls | 2015-09-17 11:05 | 寄稿ブログ

情報処理安全確保支援士☆チャーリーのブログ


by チャーリー
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31