エマ・ワトソンの下胸に正義はあるのか。・・・(笑)。
2017年 05月 04日
今回はこのテーマ。
エマ・ワトソンの「下胸」は、ある現実を私たちに突きつけた Hannah Cranstonhttp://www.huffingtonpost.jp/hannah-cranston/emma-watsons-boobs-prove-feminism_b_15152042.html
ワトソンがブラウン大学→オックスフォード大学→オックスフォード大学の客員研究員というキャリアを持ち、いわゆる“ハリーポッターに出ていた”「ただの女優」じゃない前提で彼女の“下胸”が意味するところを考えてみたい。
私はこのファッションは全くもって好きじゃない(笑)ことを予め記しておきたい。が、私はワトソン流フェミニズムの考えを理解するし、少なくとも一般的(平均的)なフェミニズムの解釈よりずっとスムーズかつスマートに受け止められる。
知性を伴うフェミニズムと、知性を必要としないファッションとしてのフェミニズムには大きな違いがある。
大人の女性が自分の意思と責任で服を選んで何が悪いというのがワトソンのフェミニズムの定義であり、一方ファッションとしてのフェミニズムは、「女性」を意識させること自体が「違反」という定義と化してきている。早い話、セクシーな恰好をすれば「男に媚びている」と見られ“女の敵”となる。しかしそれは決して「自由」でもなければ、女性の立場がまるで尊重されていない。なぜなら「男」あってのセクシーな洋服であると認めることになるからだ。女性の洋服選びは「男」による査定を前提にしているのか。そして「媚びる」理由があるとすれば相手の立場が強い場合であることを考えると尚更だ。男の下に女がいることになる。
それを追求すれば、恐らくは女性の敵は女性であり、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプ相手に女性票さえ思うように採れなかった理由の根源を見ることになる。
「男が前、女が後ろ」のような時代があった。そして男が前に立っているだけで男尊女卑だとされ、女性を敬い決して軽視してませんよということでレディーファーストが当たり前になったかと思ったら、現代のフェミニストのように、ドアくらい自分で開けられる、荷物くらい自分で持てる、男だからって女より強いつもり?アンタ何様?という考え方が出てくる。

こうやって、とりあえず女を前に出しとけ的な中身を伴わない平等が世の中の表面を覆うことになる。
養育費(離婚の有無にかかわらず)1つとっても、男が負担して当たり前の時代から、所得比率で分担となり、今では「折半」という考え方も多い。片方が多く出すと、「相手に依存した子育て」であることが証明されてしまい、対等の立場(親権も含め)が主張できないからという考え方だ。見方を変えたら「母親だから親権が取れる」時代ではなくなるだろう。
すなわち女性による「自立」の追求だ。
デート代も同じく。一世代前までは「男の甲斐性」という言葉もあったし、男が出して当たり前だったものが、先進国は折半が当たり前になりつつある。女性達は「奢ってもらってラッキー」ではなく、自分も半分出せるお店にしか入らない的な。いわゆる分相応に徹する。男がお金持ちだからといって、そのパートナーは何ら立場が引き上げられるものではなく、独立した個人であるという考え方だ。
要は「囲われている」限り自立していないので、常に50%(対等)の存在を目安とする時代。
が、実際には「50%以上の立場を占めたい」と陣取り合戦になりつつある。
ファッションフェミニズムの破綻。
総会屋フェミニスト。チンピラフェミニスト。クレーマーフェミニスト。そんなカンジの人も少なからずいる。
フェミニズムの始まりは「男女対等」の実現こそが本来の目的であり、女性が美人であること、ナイスバディであること、セクシーであることを禁止するための主義主張ではない。それはただの均等主義だ。
世の中の「クレーマー的フェミニズム」をシミュレーションしてみた。
ある女性(A)から見て「私と大差ないかそれ以下」と見下している同僚女性(B)が美人だったとする。突然Bが出世すると、Aは「美貌を武器に上司に言い寄ったんじゃないか」と妄想してみる。そもそもAは能力的に劣っているとは思っていないどころか、自分の方が上だと思っているから、Bが私よりも上に立つとすれば「仕事以外」の要素によるものだろうと考える(決めつける)。
しかし美人であることは先天的なことなので、これをズルイとかダメだと言い出すと、「生まれながらにしてハンデを背負っている」ことになるから、障害者と同等の社会保障が必要になる。
もちろん何もズルくもなければダメでもない。「いいがかり」でしかない。
ではその美貌によって上司に気に入られたのは「仕方がない」と考えた場合、次の標的は上司そのものだ。「そういえば入社当初、上司の誘いを断ったから私は出世しなかったんだわ」ということであればAにとっては「きっとBは誘いにのったのよ。ズルイわ!不公平よ!」と言ってみる余地がある。
しかし、視点を変えて入社以来全く上司に誘われたことのない女性Cはどうだろう。「上司はそんな人じゃない」と主張するかもしれないし、「私には見向きもしない」とがっかりするかもしれない。
この時点で何かしらB>A>Cという見た目か何か女性的な魅力において優劣ができたように感じるかもしれない。ここからが大きな分岐だ。
まだ憶測で話しているだけで、美人Bが上司の誘いにのったという証拠はない。
Aは仕事の能力は私の方が上だという点を証明したい。そして「上司や会社は女性の見た目ではなく仕事で判断すべきだ」と主張できればカッコイイ。
しかし。調査した結果美人Bが営業成績トップであることがわかった。どうだろうか。
AはBの「ズルイ疑惑」の言い出しっぺだから周囲に示しがつかないし格好悪い。仕事でも劣っていたことになる。そしてこの手のテーマに元々興味がなかったCは「やっぱりBさんて“揃ってる”のね」と、もはやAの肩を持つ気はなくなる。
こうして女性の中でもAタイプ60%、Bタイプ10%、Cタイプ30%くらいに分かれる。
そこでAは何を考えるか。営業成績がトップなのは、美人Bが「美貌を売りにしてるからよ。顧客は男性ばかりだし」って具合に展開する。
最もダメな流れとして、「これだから世の男は!」と顧客(男性)さえも罵るようになると、もはや敵・味方はなく、「自分に都合が悪いのは全部敵」という図式だ。
そもそもAは当初「仕事の能力で判断して欲しい」と願ったのだから、「顧客の支持」こそが自分の本当の評価だと考えていたにもかかわらず、男性顧客も悪いと言い出せば、会社はいよいよAの「適正」を疑うことになる。こうしてAは誰からのサポートも得られなくなる。
しかしAとしては、何としてでもBが男性顧客に「言い寄っている」証拠が欲しいところだが、Bが顧客とデートしている目撃情報もなければ、Bから言い寄られたと証言する顧客も出てこない。
※美人というのはそういうもので、周囲から常に「見た目を売りにしている」と見られる傾向があるため、女性的な魅力を武器にすることは自ら避けている人が多い。
そして「競争には“公平な”ルールが必要」という結論に達し、ハイヒール禁止、ミニスカート禁止(続いてスカート自体禁止)、胸元の開いた服禁止、色気のあるメイク禁止、やたら時間かかってそうな髪型禁止、ネイルとかアクセサリーとか仕事に必要ないもの禁止、赤とかピンクとか女性っぽい色禁止、と「A様ルール」を制定する。
男性は立場上(疑い上)この禁止案に上手く反論できないことが多いし、Aタイプの女性はほぼ賛同する。Cタイプの女性はそもそも自分とあまり関係がないので「じゃぁそれで」程度の賛同を示す。
Aの要求を飲むしかない環境下で物事が取り決められている。
これで美人Bを退治できるかと思ったら、男性社員が美人Bにドアを開けてあげた。階段で重い荷物を持ってあげた。パソコンを修理してあげたというシーンを見たAは、「男ってあぁいう男に媚びたようなか弱そうな女が好きよね」と、「媚びる行為禁止案」をぶちまける。
「独身」も武器だから、既婚・独身の質問禁止、「Miss」禁止、女性が結婚して男性姓を名乗るの禁止(男性優位に賛同していることになるし、既婚がバレるから)という具合。
そこでいつも男性の左側に立つ美人Bを、「アレも戦略よ、計算高いわね」ってことで、そもそも何で男性が右側なの、前なの、(名簿で)先なのと指摘し、男女混合を申し出る。
終いにはトイレも更衣室も混合になる(ノルウェーの軍隊はそうなった)。そして、「何で男は上半身裸になっていいのに、女性はだめなの?」という運動も始まり、「女性が胸を出すのは女性自身の意思である限り自由だ」ということで決着が付く。
で、何でワトソンの下胸はダメなんだ(笑)。
下手なプログラマーと同じく、つぎはぎで定義していったファッションフェミニズムは言うまでもなく破綻する。冒頭に書いた知性あるフェミニズムとは、どこから追求しても原点を指すことができ、なおかつ一貫した主義主張に矛盾が生じない。
総会屋みたいなフェミニストが多い。
この20年くらいだろうか、広告などで女性の肌の露出が目立つと、女性軽視だ女性差別だ性的搾取だと騒がれ、人権問題にまで発展することもあったが、その一方で、何で男性は上半身裸になってもいいのに、女性はダメなの?という運動も始まっていることから、女性の中でもフェミニズムの定義が既に異なる。
なおかつトイレも一種類にしようという動きさえあるくらいで、そうなると「女性が脱ぐ」ことに性的な意味が薄れ、ひいては女性の肌の露出は女性の勝手(意思)であり、「守る」とか「保護」とか余計なお世話ということになる。
更に追求すると、成人した女性が自分の意志でソレを行っている限り、女性軽視、女性差別、性的搾取だと見られること自体が、女性の意志(決断)が踏みにじられていることになる。
例えるなら、「私は将来●●になりたい」「えー、かわいそう」というのと同じだ。時給1,500円の人が、時給1,000円の人を見て「かわいそう」というのも同じだ。医者が魚屋を見て「かわいそー」と言ったらどうなるだろうか。自分の意志でその仕事を選んでいるのだから、上からモノを言わないでくれとなる。
若く美しい女性がお金持ちの男性と結婚すると、「かわいそうに」という表現をする働く女性もいる。空気を読むならば、見た目だけ(「だけ」かどうかなんてわからないんだが)で玉の輿にのって、ただの「お飾り」にされる人生なんてお気の毒という主張だが、心のどこかで「ズルイ!」と考えているように見える。自分はせかせかと毎日働かなきゃいけないのに、何であの娘だけ!的な。だから美貌とかセクシーとかそういった要素を排除したくなる気持ちもわからなくもない。
しかしそれでは他人のものを奪っている(捨てさせている)から幸せにも平等にもなれない。
ワトソンがフェミニズムというキーワードにおいて度々批判されるのは、彼女が美人で小さい頃から女優とし成功し、更には高学歴でお金持ちで、社会的な発言力もあるからだからだろうと思う。何かケチつけないと気が済まない(笑)という面と、「ワトソン流フェミニズム」が主流になってしまうことへの恐れからくるものだろうと私は分析している。

どこがゴールなのか、ちゃんと見据えておく必要がある。
私はワトソン流フェミニズムの今後の展開が楽しみだ。学問、思想、哲学として興味がある。
※3月中旬に書いたブログをアップしないまま放置していたため、旬が過ぎてしまったがご容赦願いたい。
チャーリー(@)
JAPAN MENSA会員
AEAJアロマテラピー検定1級
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー
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■チャーリーのタンブラー(毎日更新、日記・ブックマーク的な)